一般の中小製造業に比べて印刷の制作工程が長くて複雑なことは、他産業が印刷への参入するのを抑制する効果をもたらしていた。というのはアナログの時代のことであって、デジタル化でこの制作の中間工程はどんどん統合化されて、時間短縮や材料削減という大きなメリットをもたらしたものの、印刷会社・DTPの売上は減っていった。これは価値を産まない中間プロセスが削減されたことを意味している。 では途中のプロセスには全然価値がなかったのか? 例えば校正は品質を保証するとか高めるという価値を産む。しかしそれは制作側ではなく発注側での作業で起こることで、制作側で何らか貢献できるとすると、校正履歴が残るようにするとか、校正のワークフローが確実に周るような仕組み作りである。つまり一点の仕事のうちに価値を産む仕掛けができるのではなく、確実に仕事ができるように環境を整備することに価値が産まれる。 こういう仕事の環境整備によっ