経済的自立と早期退職を実現する「FIRE」(Financial Independence Retire Early、ファイア)という生き方が若い世代を中心に広がりつつある。経済的に自立し、早期退職の達成を意味する造語で、お金のために働く生活からの解放を目指すとの考え方だ。会社員として働きながら支出を切り詰め、浮いた資金を株式投資に回して1億円以上の資産を形成した人にFIRE達成の「極意」を聞いた。 金融広報中央委員会(事務局・日銀)が発表した令和3年の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2人以上世帯が保有する預貯金や有価証券など金融資産の平均額は1563万円。ただ、実態により近いとされる中央値(資産額を順番に並べて真ん中の値)は450万円だった。 老後30年間で約2千万円が不足する-。3年前に公表された金融庁金融審議会の報告書が物議を醸した。いわゆる「老後2千万円問題」だ。25年間