期待リターンが0%の金融商品があったら、長期で保有しても結果はだいたい0%だと、普通はそう思いますよね? でもリスクがあると、そんなに都合よくいかない、という話を今回は書きます。 投資信託など金融商品の説明でよくあるのが「期待リターンが5%なら、長期では5%の複利が期待できます」という話。でもそうじゃない、リスクがあったら複利にならないんだよ、ということを僕はこのブログでずいぶん調べてきました。 なんでリスクがあると複利にならないのか、実はrennyさんの「コツコツと〜く #5」でそのたとえ話を少し話したので、それをこのブログでも書こうと思います。 ある金融商品を思い浮かべましょう。期待リターンは0%、ただし2分の1の確率で値段が10%上がったり10%下がったりする、という価格変動のリスクがあります。 これを長期で保有したらどうなるでしょうか? 期待リターンが0%だから、値段が上がったり下
ごぶさたしてます。震災以後ちょっと忙しくなったりして。ブログはぼちぼち続けますので今後もおつきあいください。さて、震災後にちょっと思っていることを今回は書きます。それは東京電力株について。 ご存じの通り、東日本大震災によって福島第一原発は事故を起こし、東京電力と政府がその対応にあたっています。東京電力はその事故の対応のために汚染水の処理施設の建設などに大量の出費を行っていますし、原子力事故によって避難せざるを得なくなったひとたちや、放射能汚染の被害にあった漁業関係者のひとたちに賠償を始めています。 東京電力がこの原子力事故でどれだけの出費をしなければならないのか、いまのところ見当もつきません。 普通の会社なら、倒産することは間違いないでしょう。でも、東京電力は倒産しそうにありません。倒産させずに政府が支えつつ賠償を続けるスキームを政府が考えているためです。 僕はちょっと考えました。本来は倒
このところ2つのインデックス関係のイベントに行って考えたことがあります。1つはマネックス証券で行われた、ピクテ投信の中国、ブラジルそれぞれのインデックス投信の説明会。そしてもう1つは、書籍「運用のプロが教える草食系投資」の著者3人による懇親会です。 マネックス証券で行われた説明会については先日のエントリ「ピクテ初のインデックスファンドはブラジルと中国。担当者「自分が欲しいものを作りました」」に書きました。 で、そのあとには草食系投資のイベント。これについては「長期投資でアクティブ型投資信託を選ぶ理由について考えた」で書きました。 そして僕は思いました。 例えば、インデックス投資とはいえ、「僕のアセットアロケーションはブラジルと中国のインデックスに全力投資です!」という人だっているかもしれませんよね。そういえば先日、梅屋敷で水瀬さんと話をしたときに例として挙がったのですが、「日経225のオプ
「運用のプロが教える草食系投資」の著者3人による懇親会の二次会でレオス・キャピタルワークスの藤野社長のお話をじっくり聞く機会がありました。そこで藤野社長からアクティブ型投資信託は継続的にインデックスを上回る方法がある、というお話を聞きました。 米国に、ピーター・リンチというファンドマネージャが運用し、10年以上に渡り素晴らしい運用結果を残し続けた伝説的なファンド「マゼランファンド」というのがありました(いまもあるのかな?)。 なぜあのファンドは継続的によい結果を出せたのか? 藤野氏は「継続的な資金流入があるかぎり、アクティブ型投資信託がインデックスを上回ることは可能だ」と説明してくれました。 説明いただいた内容を覚えている範囲で書いてみましょう。まず、ファンドの組み入れ銘柄の一部に、それほど流動性の大きくない銘柄を仕込んでおきます。そして、毎月流入してくる投資資金を継続的にそこへつぎ込み、
先週の木曜日には書籍「運用のプロが教える草食系投資」の著者3人による懇親会が六本木で行われたので参加してきました。そこでとても面白いお話を聞いてきたので、今回はそのお話。 書籍「運用のプロが教える草食系投資」は、独立系の投信会社であるコモンズ投信の渋澤健社長、セゾン投信の中野晴啓社長、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長の3人の共著です。 懇親会があったのは六本木のワールドインベスターズトラベルカフェ。3人から長期投資に掛ける熱い思いがつぎつぎに語られる会でした。 僕にとって興味深かったのは、3人とも長期投資にこだわっておられつつ、運用しているのがアクティブ系の投資信託だということです。ふだんインデックス投資に関係する集まりが多い中で、アクティブ系を運営する方々の口から直接お話が聞けたのは貴重な経験でした。 懇親会の中で、日経新聞の田村編集員が渋澤社長に「成績の良いアクティブ投信を事前
さて、以前の記事で「過去のリターンの平均」には、算術平均と幾何平均の2種類があるということに触れました。そして、算術平均で過去5年の平均リターンが1%だったとしても、幾何平均では過去5年の平均リターンは0.95%だったりと、両者が異なることを紹介しました。 そのときのエントリ「「過去のリターンの平均は5%です」←それ何の平均?」をちょっと復習。 例えば、5年間で次のように価格が変動した金融商品があったとします。左が変化率、右が基準価格を100としたときの価格です。 0年目 ±0% 100 1年目 +2% 102 2年目 +6% 108.12 3年目 -3% 104.8764 4年目 +1% 105.925164 5年目 -1% 104.86591236 グラフにするとこんな感じ。 このとき、毎年の平均の出し方として、 0+2+6-3+1-1=5、これを5年で割って1% これが「算術平均」。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2009」、実は投票者の責任が非常に重大だったことが判明! まだまだ続くインデックス投資ナイトのネタ。今回も「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2009」を振り返ってみます。これを読むと、あなたも「今年はブロガーになって投票したい!」と思うはず。 「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2009」は1人5ポイントという持ち点を配分するという投票方式であるがゆえに、今年のランキングではこの投票方式特有のユニークな現象がありました。それは「投票者一人一人のポイント配分が非常に重要だった」ということです。今回はそれを取り上げてみたいと思います。 運営委員長のrennyさんが、今回の詳細な結果を「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2009」のWebサイトでレポートしてくれています
インデックス投資ナイトが終わってはや一週間。少し間が空いてしまいましたが、あらためて「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2009」の結果を振り返ってみたいと思います。 僕は「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2009」の結果、すごく深いメッセージが込められていたように思います。それは、特に1位から5位まで上位に着目すれば一目瞭然でしょう。 1位:VT 2位:eMAXIS 新興国株式インデックス 3位:STAM グローバル株式インデックス・オープン 4位:STAM 新興国株式インデックスオープン 5位:eMAXIS 先進国株式インデックス ね。ここには低価格のインデックス型投資信託とETFしか入っていません。一般の投資信託に限ればeMAXISとSTAMの2種類しかありません。 要するに、ブログを書くような情報感度の高い投資家の注目は、自動的にこうし
2月から半年近く連載を続けてきた「リスク資産の複利確率」も今回が最終回です。最終回ではこれまでを振り返りつつ総集編をお送りします。半年間の連載のダイジェストです。 ■問題提起 投資信託などの資産運用では、いま運用している資産の期待リターンとリスクがどれだけなのか、ということがしばしば問題になります。「自分に合ったリスクに抑えておきましょう」とか「そのリスクの範囲で期待リターンはできるだけ高い方がいい」とか、そういうことです。 そして、期待リターンとリスクは通常、1年間という期間で計算されます。例えば「1年間の期待リターンが15%、リスクが20%のポートフォリオ」などと。僕の作ったツール「アセットアロケーション分析」でも、アセットアロケーションを組み合わせることによって、期待リターンとリスクがどうなるのか、ということを過去のデータに基づいて計算することができます。 しかし僕たちは長期投資家で
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