ウクライナ侵攻後、ロシアは西側諸国から過去に例のないほど大規模な経済制裁を科された。当初は混乱したロシア経済だが、いまも崩壊していない。何がロシア経済を支えているのか──英誌「エコノミスト」が、ロシア経済が持ち堪えている理由を解説する。 経済制裁は効いているのか ロシア経済の実態は見えにくい。平時でもその透明性はシベリアの吹雪レベルだ。ウクライナ侵攻以来、ロシア中央銀行やロシア連邦統計局は、あらゆるデータの公開を停止している。今も同国経済に関する数字は多少あるものの、その信頼性は低い。多国籍企業も同国からエコノミストを引き上げた。投資銀行はロシア企業に関する助言ができなくなったため、調査活動を縮小している。 実体がよくわからないなか、ロシア経済の状況について、いま激しい議論が巻き起こっている。 最近共同で論文を発表したイェール大学の5人の研究者は、欧米企業の撤退と制裁がロシア経済を「不自由