トランプ前米大統領が不倫の口止め料を不正処理したとされる事件の初公判が15日、始まった。米大統領の経験者で初めて、刑事事件の被告人として法廷に臨んだ。他にも3つの刑事裁判を抱える。裁判に費やす時間やお金が増え、11月の大統領選の集票に影響を及ぼしかねない。米CNNによると、公判は東部ニューヨーク州の裁判所で15日午前(日本時間15日夜)に始まった。トランプ氏は入廷前に記者団に対し、裁判について
2012年に長崎県対馬市の観音寺から盗まれその後韓国で見つかった、県の有形文化財に指定されている仏像「観世音菩薩坐像」をめぐっては、韓国中部にあるプソク(浮石)寺が「中世の時代に倭寇に略奪されたものだ」として所有権を主張し、仏像を保管する韓国政府に引き渡しを求めて2016年4月に韓国で裁判を起こしました。 1審の地方裁判所は、プソク寺への仏像の引き渡しを命じましたが、2審の高等裁判所はことし2月、観音寺が20年以上公然と仏像を所有してきたとして、1審とは逆に、引き渡しは認められないとする判決を言い渡し、原告側がこれを不服として上告していました。 韓国の最高裁判所は26日「日本の民法上、観音寺が法人格を得てから20年たった1973年の時点で、仏像の所有権を取得したと認められる」として、原告側の訴えを退け、仏像の所有権は観音寺にあると認める判決を言い渡しました。 7年半にわたった裁判は判決が確
「1票の格差」が最大3.03倍だった2022年7月の参院選は違憲かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は18日、「合憲」とする統一判断を示した。「投票価値が著しい不平等状態だったとは言えない」と判断した。大法廷は「立法府には格差のさらなる是正を図り、再拡大させない取り組みが引き続き求められる」と強調。その上で「法改正の見通しが立たず具体的な検討が進展している
57年前、静岡県で一家4人が殺害された、いわゆる「袴田事件」で、無罪を主張しながらも死刑が確定した、袴田巌さんについて、東京高等裁判所は再審=裁判のやり直しを認める決定をしました。有罪の根拠とされた証拠について、決定は「捜査機関が隠した可能性が極めて高い」と、“ねつ造”の疑いに言及しました。 袴田巌さん(87)は、57年前の1966年に今の静岡市清水区で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定しましたが、無実を訴え、裁判のやり直しを求めています。 9年前、静岡地方裁判所が再審を認める決定を出し、袴田さんは死刑囚として初めて釈放されましたが、その後の東京高裁は一転して再審を認めず、さらに最高裁が審理が尽くされていないと判断したことから、東京高裁で再び審理が行われる、異例の展開をたどっていました。 最大の争点は、逮捕から1年以上あとに現場近くのみそタンクから見つかった衣類についた血痕の色の変化で
26年前、長崎県諫早湾の干拓事業で閉めきられた堤防の排水門を開けるかどうかについて、最高裁判所は開ける立場の漁業者側の上告を退ける決定をし、国に開門を命じた確定判決の効力を無効とする判断が確定しました。この排水門については「開門命令」と「開門禁止」という相反する確定判決があり司法判断がねじれていましたが、「開けない」方向で事実上、決着した形です。 諫早湾の干拓事業では、1997年に国が堤防を閉めきったあと、 ▽漁業に深刻な被害が出たとして漁業者が起こした裁判で、開門を命じる判決が確定した一方、 ▽農業者が起こした別の裁判では開門を禁止する判断が確定していました。 司法の判断がねじれた状態となる中、排水門を開けない立場の国は開門を命じた確定判決の効力をなくすよう求めていました。 この裁判で福岡高等裁判所は去年「開門を命じた当時と比べ、漁業への影響が減る一方、排水門を開けた場合の防災や干拓地の
長嶋一茂さん敗訴 週刊新潮記事めぐり―東京地裁 2021年12月16日20時12分 東京地裁が入る裁判所合同庁舎=東京都千代田区 「週刊新潮」の記事でプライバシーを侵害されたなどとして、コメンテーターの長嶋一茂さんが発行元の新潮社(東京都新宿区)に330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、東京地裁であった。中村心裁判長は記事がプライバシー権を違法に侵害するとは言えないとして、請求を棄却した。 言論NPO、敗訴確定 文春の名誉毀損訴訟―最高裁 判決によると、週刊新潮は昨年8月27日秋初月増大号で、組織犯罪処罰法違反(証人等買収)罪で有罪が確定した元会社役員らと長嶋さんが一緒に写った写真と共に、「一茂氏は、深いお付き合いの彼の逮捕劇をどう受け止めているのか」などと記した。 中村裁判長は、長嶋さんは元役員と親しい事実を公表されることで一定の不利益を被ると指摘。一方、記事は社会に影響を与え得
2007年12月に認知症の高齢男性が電車にはねられて亡くなり、遺族が鉄道会社から高額な損害賠償を請求された訴訟は、最高裁判決で遺族が逆転勝訴した。家族だけが責任を抱えなくてもいいとの初の司法判断で、地域で自分らしく暮らし続けたい認知症の人を勇気づけた。判決から3月で5年、その意義と課題を探った。 ■「はねられたらしい、急いで帰ってきて」 日が落ち、辺りは暗くなり始めていた。2007年12月7日午後5時ごろ、愛知県大府市。高井隆一さん(70)の父良雄さん=享年(91)=がデイサービスから帰宅して間もなく外へ出ていった。同居の母がうたた寝した、わずか6、7分の間だった。 隆一さんは東京都内の勤務先で、大府市に住む妻からの電話を受けた。取り乱した様子が伝わってきた。「(良雄さんが)JRの駅構内で電車にはねられたらしい。急いで帰ってきて」 ■一審名古屋地裁は、高額賠償を認める判決 良雄さんは認知症
同性婚訴訟の札幌地裁判決後、「違憲判決」と書かれた紙を掲げる原告の弁護士と支援者ら=17日午前11時34分、札幌市 国が同性婚を認めていないのは憲法に違反するとして、北海道に住む同性カップル3組が国に計600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は17日、法の下の平等を定めた憲法14条に違反し、違憲との初判断を示した。請求は棄却した。全国5地裁で争われている同種訴訟で判決は初めて。性的少数者の権利保護の意識が高まる中、同性婚の導入を巡る議論に影響しそうだ。 武部知子裁判長は判決理由で「同性カップルに婚姻で生じる法的効果の一部すら与えないのは立法府の裁量権を超え差別に当たる」と指摘。立法措置を国が怠ったかは「国家賠償法上、違法とは言えない」と原告側の主張を退けた。
「先生がいなければ、孫は死ななかったのしゃ」。亡くなった児童の祖母はそうつぶやいた。東日本大震災の津波に襲われた、宮城県石巻市立大川小学校(2018年2月に閉校)。児童70人と教員10人が命を落とし、今も4人の児童が行方不明だ。宮城県と石巻市を相手取り、学校の責任を問う裁判が起こされ、2019年10月10日、原告ら遺族の勝訴が確定した。 「勝てない」と言われる国家賠償訴訟。児童23人の19家族とともに挑んだのは、2人の弁護士だった。通常こうした大事件は、多くの弁護士が参加して弁護団を形成するが、大川小裁判は、最初から最後まで2人だけで担当した。裁判を終えた今も、彼らは原告遺族と向き合い続けている。その思いはどこにあるのか。2人の弁護士と大川小学校を訪ねた。 ●学校管理下で起きた、最悪の大惨事 大川小学校は今、震災遺構としての整備が進められ、来月にも開館する予定だ。校舎は修復せず、現状のまま
刑法で最高刑が懲役2年と定められている事件に対し、東京地裁がこれを超える懲役2年6ヶ月の違法な判決を言い渡した。地検の求刑と同じであり、これに引きずられた形だ。その理由や問題の所在は――。 どのような事案? 報道によれば、次のような事案だ。 「わいせつ電磁的記録所持罪に問われた男2人の裁判で、東京地裁(井下田英樹裁判官)が法定刑の上限を6月超える違法な判決を言い渡したことが9日、分かった。東京地検が誤って求刑し、2人の弁護人も気付かなかった。地検は判決を是正するため、同日控訴した。弁護側も控訴している」 「同罪の最高刑は懲役2年、罰金250万円」「検察側は1月21日の初公判で2人に懲役2年6月、罰金100万円を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求め、即日結審」「地裁は同28日、それぞれ懲役2年6月、執行猶予4年、罰金80万円と、懲役2年6月、執行猶予5年、罰金50万円の判決」 「地検による
慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年の日韓合意について、元慰安婦の女性などが「韓国の憲法に違反する」と訴えていた裁判で、韓国の憲法裁判所は27日、日韓合意は政治的な合意にすぎず、効力も不明だとしたうえで、裁判の対象にはならないとして訴えを却下しました。 憲法裁判所は27日午後、日韓合意について書面の交換や国会の同意がなかったとしたうえで、一般的な条約とは違う政治的な合意にすぎず効力も不明だという見解を示しました。 そのうえで「合意によって被害者の権利が侵害されたと見ることはできない。合意は被害者の法的な地位に影響を及ぼすとは考えられず、裁判の対象にはならない」と指摘して訴えを却下しました。 ムン・ジェイン(文在寅)政権は、この合意に基づいて設立された元慰安婦を支援する財団について、去年11月、解散すると発表した一方、日本政府に対し合意の破棄や再交渉は求めないとする立
農林水産省の元事務次官が長男を殺害した罪に問われた事件の判決で、東京地方裁判所は、「長男の暴力について警察などに相談せず同居からわずか1週間で殺害した経緯には短絡的な面がある」として懲役6年を言い渡しました。一方で、判決は「長男からの暴行で恐怖を感じたことが背景にあることは否定できない」とも指摘しました。 農林水産省の元事務次官、熊澤英昭被告(76)はことし6月、東京・練馬区の自宅で、長男の英一郎さん(44)を包丁で刺して殺害したとして、殺人の罪に問われました。 裁判では、長男による家庭内暴力など事件のいきさつを踏まえて、情状酌量がどの程度認められるかが争点となり、検察が懲役8年を求刑した一方、弁護側は執行猶予の付いた判決を求めました。 16日の判決で、東京地方裁判所の中山大行裁判長は「『長男に殺されるという恐怖から刺した』とする被告の供述は信用性に乏しく、ほぼ一方的に攻撃を加えたと認めら
裁判員制度の導入から10年。今月1日からはえん罪の防止を主な目的に一部の事件で「取り調べの録音・録画」が義務化されるなど、捜査や裁判の姿は大きく変わりました。シリーズ2回目は検事の“本音”に迫ります。 今回、NHKは霞が関にある官庁の中でも特に取材が難しいとされる検察庁と交渉を重ね、東京地方検察庁の現役の検事6人から匿名を条件に詳しく話を聞くことができました。東京地方裁判所の裁判長5人の“本音”に迫った前回の取材では裁判長たちが、検事が取調室で作成した供述調書を重視する「調書中心主義」から法廷で被告や証人が話す内容を重視する「公判中心主義」に大きくかじを切っている実態が鮮明になりました。 こうした刑事司法の変化を現場の第一線の検事たちはどう受け止めているのか。そこから浮かび上がったのはこの10年で現場の検事と裁判官の間に新たに生じた“事件の真相解明”に対する考え方の違いでした。 (社会部司
司法の判断に市民感覚を反映させることをねらいに、裁判員制度が導入され10年がたちました。この10年で刑事司法は激変しました。これまでに裁判員や補充裁判員を務めた市民はおよそ9万人。変化は裁判員が参加したことによる市民感覚の反映にとどまりません。刑事司法そのものが変わったのです。私たちはこの10年に起きた刑事司法の変化をさまざまな観点から検証する取材を続けています。3回シリーズでお伝えする「激変!刑事司法」。第1回は裁判官編です。 現場の裁判官たちは刑事司法の激変をどのように感じているのでしょうか。裁判員を務めた人に対しては判決の言い渡しが終わった後、記者会見があり、取材の機会が設けられます。会見に出席するのは希望した人だけですが、それでも重大な裁判を中心に、裁判員が感じたことが社会に報じられてきました。 しかし判決を出した裁判官が記者会見に出てくることはありません。判決に書かれたことが裁判
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