【読売新聞】 【ベルリン=中西賢司】ウクライナへの軍事支援に関するドイツ軍の会議をロシアが傍受した問題が波紋を広げている。暴露された内容は、ウクライナでの米英の活動に触れるなどロシアが西側諸国を揺さぶる材料となるためだ。 ドイツのボ
政権支持率は3党合わせても33% 現在のドイツ政府は、社民党、緑の党、自民党の3党連立政権であるが、12月7日に発表された公共第1テレビの世論調査「DeutschlandTrend」での恒例の質問、“今度の日曜日が総選挙ならどの党に投票しますか?”の結果が下のグラフ。 野党のCDU/CSU(キリスト教民主/社会同盟)が1位で32%。2位がAfD(ドイツのための選択肢)で21%。 3位の緑の党は15%で低空飛行が続く。そしてようやく4番手にショルツ首相の社民党が顔を出すものの、前月比2ポイント減の14%。落ち込みに歯止めがかからない。なお、自民党に至ってはわずか4%なので、これが本当の選挙結果ならば、5%条項を満たせず国会から退場となる。 つまり、政権の支持率は3党合わせても33%。案の定、“現在のドイツ政府に満足ですか?”という質問では、“満足”が17%にまで落ち込んだ。 “不満足”は82
表層的には似通った反応をみせた日独 内閣府は2月15日に2023年の国内総生産(GDP)を発表した。それによると、日本のGDPは前年比0.2%減の4兆2106億ドルとなり、4兆4561億ドルのドイツに抜かれ、世界3位から4位に転落した。 このニュースへの日独それぞれの反応が興味深い。日本では大きく報道される一方で、ドイツではさほど話題になっていないという違いはあるものの、日本の識者もドイツの識者も「円安が進んだだけのこと」「一喜一憂すべきではない」とコメントするなど、表層的には似通った反応を見せている。 ただ、その深層となると、かなり異なっているというのが私の印象だ。たとえば、日独両国で多く聞かれた「一喜一憂すべきでない」というコメント――。 ドイツでは自国が直面する経済問題から目を背けるべきでないという意味合いから、このコメントが多用されているように見える。GDP順位は統計上のことにすぎ
VW社のEVシフト 9月14日、フォルクスワーゲン社のツヴィッカウ工場で、従業員総会が開かれ、1万700人の従業員のうち、269人の雇用契約が更新されないことが発表された。つまり、269人が、早ければ11月から失業する。 本人と家族にとっては悲劇だ。しかも、それ以外にも、1年の雇用契約で働いている従業員がまだ2000人近くいるらしいから、その人たちの運命も安泰とは言えない。この不景気の下、今後、解雇が時間差で告知される可能性がある。 ツヴィッカウは旧東独のザクセン州の町だ。1990年の東西ドイツの統一直後、フォルクスワーゲン社は同地に進出し、以後、ほぼ30年間、主にゴルフを営々と製造してきた。 同社はその他、やはりザクセン州の州都のドレスデンとケムニッツ(旧名・カール・マルクス市で旧東独の工業の中心だった)にも工場を持つ。発展がスムーズにいかなかった旧東独地域において、それらが景気高揚の活
ドイツのオラフ・ショルツ首相(2024年3月2日撮影)。(c)Andreas SOLARO / AFP 【3月3日 AFP】ウクライナへの軍事支援をめぐるドイツ当局内の協議内容がロシアのSNSで拡散していることが判明し、オラフ・ショルツ(Olaf Scholz)政権に激震が走っている。首相は2日、徹底調査を表明した。 ロシア国営テレビRTのマルガリータ・シモニャン(Margarita Simonyan)編集長は1日、クリミア(Crimea)への攻撃に関するドイツ軍当局者らの協議内容とされる、2月19日に行われた38分のビデオ会議の音声記録をSNSに投稿。 独軍当局者らはその中で、独製長距離巡航ミサイル「タウルス(Taurus)」やフランス、英国製ミサイルのウクライナ軍による使用の可能性、クリミア半島とロシア本土を結ぶ橋へのミサイル攻撃計画などを話し合っていた。 独防衛省報道官はAFPに対し
ドイツの国旗(2022年12月15日撮影、資料写真)。(c)FABIAN BIMMER / POOL / AFP 【12月24日 AFP】ドイツのロベルト・ハーベック(Robert Habeck)副首相は23日、同国の情報機関、連邦情報局(BND)の職員が国家機密をロシアに漏えいした容疑で逮捕されたことを「憂慮すべき事態」と受け止める一方、防諜(ぼうちょう)活動の成果を称賛した。 22日の検察発表によると、BNDの職員カルステン・L(Carsten L)容疑者はロシアに国家機密を流したとして反逆容疑で逮捕された。 ウクライナに侵攻したロシアとの関係が冷え込んだのを受け、欧州諸国はロシアのスパイ活動への懸念を強めている。 独当局はロシアを利することになるとして、事件に関する詳細を公表していないが、ニュースサイト「フォーカスオンライン(FOCUS Online)」によると、容疑者はBND極秘技
ドイツ・ベルリンで会談したオラフ・ショルツ首相(右)とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領。2024年2月16日撮影(Michele Tantussi/Getty Images) ついにドイツが、国防費に国内総生産(GDP)の2%を拠出するという北大西洋条約機構(NATO)の目標を達成した。 しかし、その発表は、すぐには終わりそうにない厳しい不景気の中で行なわれた。ドイツは今後、難しい財政運営を迫られることになると専門家は見ている。 オラフ・ショルツ首相は今年2月、ドイツの防衛支出について、NATO加盟国の目標とされる「GDP比2%以上」に引き上げると改めて約束していた。 これはもっともな話に思える。だが、欧州連合(EU)に隣接するウクライナがロシアの侵攻から自国の領土を守るべく奮戦してきたこの2年間、ドイツの防衛費はこの水準を下回っていた。 それだけでも問題だが、実はドイツは1
ドイツの銀行の社債急落は、不動産を巡る一連の警鐘の一つだ。米地銀持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)は先週、予想外の減配と商業用不動産ローンの問題債権化に備える貸倒引当金積み増しを公表。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは6日、同行をジャンク級に格下げした。 米銀NYCBジャンク級に転落、信用悪化で再格下げも-ムーディーズ ラボバンクのクレジットストラテジスト、ポール・ファンデルべスタウゼン氏は「米国の商業用不動産市場には深刻な懸念がある。米国や欧州の大手銀行にとっては問題ではないが、不動産に特化したドイツの中小銀行はやや痛みを感じている」と述べた。 クインテット・プライベート・バンクの株式責任者、マーク・デッカー氏は「投資家は現在、個々の金融機関のエクスポージャーに大きな懸念を抱いている。基盤の大きいユニバーサルバンクよりも大きな影響を受けているのは一部の銀
ドイツのショルツ政権が連立を組む3党間の協議でウクライナへの軍事支援予算案を来年80億ユーロ(約85億ドル)に倍増させることで基本合意に達したと、ベルリンの政界関係者が11日明らかにした。写真はショルツ首相。ベルリンで8日撮影。(2023年 ロイター/Annegret Hilse/File Photo) [フランクフルト 11日 ロイター] - ドイツのショルツ政権が連立を組む3党間の協議でウクライナへの軍事支援予算案を来年80億ユーロ(約85億ドル)に倍増させることで基本合意に達したと、ベルリンの政界関係者が11日明らかにした。 関係者によると、ショルツ氏が率いる社会民主党(SPD)は来年度予算案を審議する16日の連邦議会(下院)委員会を控え、連立を組む自由民主党(FDP)、緑の党の両党と国防費増額で合意した。SPDは連邦議会で多数派を占める。計画が議会で承認されれば、国防費は北大西洋条
2023年の名目GDP(国内総生産)で日本がドイツに抜かれ、世界で4位に転落する見通しであることが示された。ただ、好調だったドイツ経済も構造問題を抱え、失速しつつある。 国際通貨基金(IMF)は10月下旬、日本の名目GDP(国内総生産)がドイツに抜かれ、世界4位に転落するとの見通しを示した。名目GDPは日本が前年比0.2%減の4兆2308億ドルで、ドイツは8.4%増の4兆4298億ドルとなる見通しだ。日本が中国に抜かれ3位に転落する際は人口規模の違いが大きいことから時間の問題だったが、ドイツの人口は8440万人と日本の3分の2程度。そのドイツに抜かれることは、日本では大きなニュースになった。 主な原因は3つある。1つは中期的なGDP成長率だ。ドイツはこの15年ほど、労働市場改革とユーロ安の後押しがあり、日本より高い経済成長を実現してきた。2つ目はインフレ。ドイツのインフレ率は日本より高いた
まるで宗教のドグマのよう 「ドイツの有権者が何を考えていようが、どうでも良い!」 緑の党のベアボック外相がそう言ったのは、2022年の9月だった。その日、EUの外相らはウクライナ援助について話し合うためにチェコのプラハで集まっており、冒頭の言葉は、公開討論のステージ上で放たれた。 氏が正確に何を言ったかというと、「私がウクライナの人々に、『あなた方が私たちを必要とするだけ支援する』と約束したなら、私はそれを守る。ドイツの国民が何を考えていようが、どうでも良い!」。 さらに続いたのが次の句。 「人々は街に繰り出し、『電気代が払えない』と言うだろう。だったら私は、『わかっている。だから、私たちはあなた方を社会保障で援助する』と答える」 「それは、冬になってもロシアに対する制裁を続けるということだ」 しかし、夫婦喧嘩でさえ圧力では解決できないのに、ロシアを相手に勧善懲悪を振り回し、制裁という「圧
ランペドゥーサ島を目指す難民たち 地中海の島、イタリアのランペドゥーサ島が大混乱に陥っている。この島は、シチリア島からは230kmで、チュニジアからは113km。つまり、どうにか辿り着けそうなEUの領土として、アフリカ難民の格好の目的地だ。そのため前々から、チュニジアがアフリカ難民の積み出し港のようになっている。 ただ、地中海はれっきとした外海なので、小さなボートでの出帆など危険すぎてあり得ない。実際に、独Statista(世界最大の統計データプラットフォーム)が把握しているだけでも、今年の初めから9月17日までに海の藻屑となった命が2340人。本当はもっと多いだろう。 難民は、自力でボートや小船を工面して海に漕ぎ出しているわけではなく、その裏には密航を斡旋している国際的犯罪組織が存在する。この“難民ビジネス”は、大した元手も要らず、麻薬の密輸などよりリスクも少なく、失敗しても返金義務もな
独、ミサイル防衛調達 イスラエルと正式合意 2023年09月28日23時34分配信 【ベルリン時事】ドイツとイスラエルの国防相は28日、ベルリンで、イスラエル製の弾道ミサイル迎撃システム「アロー3」をドイツが購入することで正式な合意を交わした。2025年末以降に配備予定。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、防空体制の強化を急いでいた。独メディアによると、調達額は約40億ユーロ(約6300億円)の見込みで、イスラエル史上最大の武器取引という。 〔写真特集〕世界のミサイル・無人機 アロー3は高度100キロの大気圏外でミサイル迎撃が可能。ドイツ主導で周辺国と進めるミサイル防衛枠組み「欧州スカイシールド・イニシアチブ」の中核的な役割も期待されている。 ウクライナ情勢 最新ニュース 国際 コメントをする 最終更新:2023年09月29日12時47分
与党を合わせた支持率は3割しかしない ドイツARD(公営第1テレビ)の世論調査「ドイチュランド・トレンド」での恒例の質問は、「次の日曜日が総選挙なら、あなたはどの政党に票を投じますか?」 8月31日のこの質問に対する回答は、1位がCDU/CSU(キリスト教民主/社会同盟)で29%。2位はAfD(ドイツのための選択肢)で22%。どちらも野党だ。 一方、与党3党はというと、ショルツ首相の社民党が16%で過去最低。緑の党と自民党がそれぞれ14%、6%。つまり、ショルツ内閣の支持率は現在、3党合わせても36%で、常識でいえばすでにレームダック状態だ。 しかも、状況改善を目指して3党が心を合わせて頑張っているならまだしも、政権内は仲違いが甚だしい。彼らが合意してスムーズに進められたのは、自分で自分の性別を自由に変えられる「自己決定法」とか、大麻の合法化など、多くの国民が重要事項だと思っていないことば
ドイツは悪い経済ニュースを流し続けており、欧州の他の国々にも悪影響を及ぼしている。唯一の光明は、一部で予想されていたほど事態が悪化していなかったことだ。要するに、欧州連合(EU)の成長の原動力とされる欧州最大の経済大国が、今年上半期に縮小したということだ。 英ロンドンを拠点とするコンサルティング会社キャピタルエコノミクスの最新の報告書は「ドイツの国内総生産(GDP)データは第2四半期の経済停滞を示し、縮小幅は事前予測よりわずかに小さかった。同国経済が9カ月間にわたって縮小していることに変わりはない」としている。単一通貨圏であるユーロ圏の主要経済国の中で、ドイツが最悪の状況だった。フランスは0.5%、スペインは0.4%成長した。 米ニューヨークに拠点を置く金融企業ブラウンブラザーハリマン(BBH)で国際通貨戦略を担当するウィン・シンは、ドイツがユーロ圏で最悪の状況にあったが、フランスとイタリ
それに対し、現行の連立政権をみると、社民党、緑の党、自民党の支持率はそれぞれ18.5%、14.4%、6.7%で極度に不振。3党合わせても40%に届かない。ドイツはすでに不況に突入しており、食料品の値はあがったままだし、国民の多くは先行きに不安を感じている。 つまり、支持率の低下は、政府に対する国民の信頼が完全に崩れ始めた証拠といっても過言ではない。 メルケル政権の「難民ようこそ政策」に反対 AfDは2013年の金融危機の時、EUのユーロ政策に反対した経済学者らが作った党だ。その後、指導者メンバーの入れ替わりもあったが、現在、基本にあるのは、ドイツという国家の国益の尊重で、文化や伝統を大切にした直接民主主義の実践。つまり、EUや国連に奪われている主権を国民の手に取り戻そうということだ。15年の難民騒動の時には、メルケル首相の「難民ようこそ政策」を鋭く批判し、国民の琴線に触れた。 ただ、すでに
ドイツでは経済低迷を受けて極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が台頭している。写真はトップのアリス・ワイデル氏(写真:ロイター/アフロ) 欧州経済の牽引役を果たしてきたドイツが、再び「欧州の病人」となるリスクが高まっている。 景気悪化は極右勢力の台頭を招き、「反移民」に加えてコストがかかる気候変動対策を槍玉にあげる声が広がっている。 ドイツ以外の欧州各国でも極右は勢いを増しており、欧州全体で気候変動対策が後退しかねない事態になってきた。 (藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー) 欧州経済の雄であるドイツの不調が続いている。 7月28日に発表された今年第2四半期の実質国内総生産(GDP、速報値)の成長率は前期比でゼロだった。GDP成長率は昨年第4四半期に同0.4%減、今年第1四半期に同0.1%減と2四半期連続のマイナスとなり、ドイツ経済はリセッション(景気後退)入りしてい
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