岸田首相、苦心の融和演出 処理水・尖閣、隔たり大きく―米中にらみ安定優先 2023年11月18日07時19分 【サンフランシスコ時事】岸田文雄首相は中国の習近平国家主席との1年ぶりの会談で、懸案を抱えても共通利益の追求を優先する「戦略的互恵関係」を再確認した。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けた日本産水産物禁輸など、個別懸案では成果が乏しく、関係安定化へ融和ムードの演出を優先せざるを得ない苦心がにじんだ。 中国、経済見据え対日安定 処理水・台湾は譲らず 会談は16日(日本時間17日)、中国側が滞在するホテルに首相が出向く形で行われた。両国の国旗の前で習氏が首相を出迎え、握手を交わした。 冒頭、首相は「日中は隣国として共存、繁栄し、地域と国際社会をリードする大国として世界の平和と繁栄に貢献していく責任を有する」と呼び掛けた。 会談の中で、首相は水産物禁輸の解除を求めたが、双方の主張は