日本の歴史的な超金融緩和政策終了と台湾のサプライズ利上げは、世界の新興市場キャリートレードの資金調達通貨としての人民元の魅力を高めている。 米連邦準備制度が従来予想されていたほど積極的な金融緩和を実施しない可能性が示される中でドルで資金を調達する取引のリターンが一服したことで、投資家は戦略を見直しつつある。キャリートレードは低利回りの通貨で借り入れ、高利回りの資産に投資する。投資先は多くの場合、新興市場だ。理想的な資金調達通貨の条件は、ボラティリティーが低く利回りが上昇する余地が限られていることだ。 日本銀行がマイナス金利から脱却したにもかかわらず、円は依然として世界で最も利回りの低い通貨だが、円高への期待やボラティリティーの高まりが借り手を躊躇(ちゅうちょ)させる可能性がある。ブルームバーグがまとめたデータによると、人民元はこれらの点で台湾ドルより有利であり、インプライドイールドとボラテ