アフガニスタンの首都カブールに立つ壁に描かれた、武装勢力に殺害された中村哲さんの肖像画。「国のために、もう1時間働こう」という中村さんの生前の言葉が添えられている=2020年1月、乗京真知撮影 この外交当局者によると、アフガニスタンに駐在する歴代の米国大使はアフガニスタン政権に対し、「アフガニスタン人が主体になった国づくりを進めるべきだ」と繰り返し、説いてきた。しかし、2004年から14年まで政権を担ったカルザイ元大統領も、その政権を受け継いだガニ大統領も言葉で賛同するだけで、米国のアドバイスに従った行動を示すことはなかった。 この当局者は「アフガニスタンの要人は米国大使館に力がないことを知っていた。彼らは米軍ばかりを見ていた」とも語る。 外交筋の1人は、大統領在職中だった頃のカルザイ氏と夕食を共にした。カルザイ氏は会食中、「あそこが中心になっている限り、アフガニスタンは変わらない」と漏ら