「悲惨な運命の分秒を争って疲れ切った時間を過ごしている愚かで未練がましいアメリカの奴らの動態を、もう少し見守ることにしよう」(8月15日、金正恩委員長) 「北朝鮮の金正恩は非常に賢く合理的な決定をした。他の道を選んでいたら、カタストロフィと受け入れがたいものになっていただろう!」(8月16日、トランプ大統領) あわやそのまま開戦かと思われた米朝だったが、ようやく小康状態に入った。それでも21日から米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」が始まり、情勢は依然として予断を許さない。 そもそも、なぜここまで危機が高まってしまったのか。北朝鮮問題を語るとき、いわゆる「周辺関係国」と呼ばれるプレイヤーは、当事者である北朝鮮も含めると、計6ヵ国である。すなわち、北朝鮮、アメリカ、中国、ロシア、日本、韓国だ。 その中で一見すると、いまの北朝鮮問題に最も縁遠そうな存在に思えるのがロシアだ