「40歳になったばかり。自分はホームレスだ」 まためぐってきたその木曜日の寒い朝、午前10時を前にして、モニカ・ディアスはテントの中で身じろぎした。不安でいっぱいだった。 前回の撤去作業から2週間、まもなく市の職員がごみ収集車や警察の車と共に来て、この野営地を空っぽにするだろう。朝はいつでもつらいが、撤去の日は最悪だ。 普段なら仕事へ行く前に体を休めているはずのモニカは、この日のこの時間、必死で隠そうとしている事実にはっきりと向き合うことを迫られる。 自分はホームレスだ。40歳になったばかりで、テント暮らしをしていて、なぜかこんな人生を送っている、と。 「準備できた?」と、モニカは夫に聞いた。CNNワシントン支局に近いユニオン駅のすぐそば、騒音が絶えることのないこの場所で、寒さに耐えようと愛犬のサッシーも一緒に身を寄せ合って眠れない夜を過ごした後だった。 「なんとか」ため息をついて、ピート