世界中がコロナ禍に直面するなか、死亡率と同様に日本の失業率の低さが際立っている。終身雇用こそあるべき姿なのだという理念に基づき、国が企業を規制でがんじがらめにしてきた結果、危機に際しても企業が雇用を死守したためだ。 ひょっとすると、読者の中にも「終身雇用のおかげで助かった。やはり終身雇用は正しかったのだ」と思っている人がいるかもしれない。 だが、本当にそうだろうか――。というのも、世の中にただ飯は存在しないからだ。つまり、我々は失業率が低い代わりに何か別のコストを負担していることになる。 本当に終身雇用とは、労働者から見て「おいしい」ものなのか。だったら、なぜ他国は日本の真似をしようとはしないのか。いい機会なのでまとめておこう。 確かに失業率は低かったが...... 結論から言えば、今回のコロナ禍に際しても日本の失業率が異様に低く抑えられているのは、労使がこうした危機に備えて普段から賃金水