【中村靖三郎】低迷する国民年金保険料の納付率を上げるため、厚生労働省は来年4月から徴収を強化する。所得が年400万円以上で13カ月以上滞納する全員を強制徴収の対象とする。納付しない人は延滞金を課せられたり、財産を差し押さえられたりする可能性がある。 保険料の納付は義務だが、2012年度の納付率は59%にとどまる。日本年金機構が電話や戸別訪問などで納付を働きかけても応じない場合は、最終催告、督促、財産差し押さえといった強制徴収の手続きに入るルールだ。ただ強制徴収には人手やコストがかかる。実際は滞納となった保険料の0・2%分(09年度)しか強制徴収の手続きがとられず、75%分の徴収権は時効で消滅している。 厚労省は新たな対策として、来年度から最終催告状を所得400万円以上で13カ月以上滞納する全員に送る。対象は12年度の2倍に当たる約14万人。それでも応じない場合は督促や差し押さえを進める