12月12日、私は東京で、研究倫理に関するシンポジウムを傍聴していました。 少し疲れてスマートフォンを覗いてみると、ある情報がソーシャルメディア上で飛び交っていることに気づきました。 「STAP細胞はやっぱりあったのか!?」 「小保方さんは正しかったことを海外の研究者が証明し、論文が『ネイチャー』に掲載された!」 結論から述べると、ここで飛び交った情報にあるような理解は誤りです。 「損傷」という刺激で「多能性様細胞」ができた、が…… 根拠とされている論文は「損傷によって誘導された筋肉由来幹細胞様細胞群の特性評価」という題名で、米テキサス医科大学の研究者らがまとめ、『ネイチャー』と同じ出版社が発行する『サイエンティフィック・リポーツ』という電子ジャーナルに掲載されたものです。 題名からわかる通り、この論文は、マウスから採取した筋肉の細胞を「損傷」させて刺激したところ、多能性幹細胞、
こんばんは、D論執筆中のHajime0123です。気分転換?に記事を書かせて頂きました。さて、皆さんは、30年・40年後の化学者がどのように研究し、論文を出しているか、想像したことはありますか? Bioinformatics黄金時代と言われる近年、最近の5年間でも化学者の利用するツールはガラリと変わり、日進月歩のテクノロジーの恩恵を化学の分野でも受けています。ケムステも様々なウェブツールを読者に紹介しています。それではもっと先の未来ではどうなっているのだろう・・・と、ちょっとした機会があったので考えてみました。 一人数台”コンピュータ”時代 未来ではどこにいても、タブレットやスマートフォンを通してネットへのアクセスが可能となり、容量はテラバイト、マック・ウインドウズといった違いはもはや意味をなさなくなることでしょう。世界はフラットになり、アクセスできる情報量の差もなくなってきます。一人が7
「日本人はいじわるがお好き?」というタイトルで講演している先生がいる。大阪大学の教授で西條辰義という経済学者です。実験経済学というらしいのだが、実験により人間の経済行動を究明していく試みを実践している。この話は、昨年10月に日経新聞に連載されたのでご存知の方もいると思いますが、これが無茶おもしろいので紹介する。 有名な“囚人のジレンマ”というのをご存知だと思いますが、それに似たような実験を行なっている。まず10ドルを持っている2人の個人がお金を出し合って公共財(たとえば道路)をつくる場面を想定する。 そして、10ドル出すか出さないかの二つの選択肢があり、二人が出したお金の合計額に1.5を掛けた分の利益が、一人だけではなく双方に戻ってくるとする。ここで二人とも10ドル出せば、拠出金の総額は20ドルになり、これに1.5を掛けた30ドルがそれぞれに戻ってくる。 一方、自分は出さずに相手に出させた
【ワシントン=山田哲朗】素粒子ニュートリノが光より速く飛んだとする実験結果について、欧州合同原子核研究機関(CERN)は23日、結果が間違っている可能性を正式に認めた。 同機関の発表によると、国際研究グループ「OPERA」は、実験結果に影響を与えうる問題点として〈1〉時刻の補正ミス〈2〉光ファイバーケーブルの緩み――を特定した。こうした不備で結果がどう変わるか検証する実験を5月に行う。
新しい実験データについての新聞・テレビ報道が研究者の間の「雰囲気」を伝えていないというのは、たしかにあることなのだけど、今回ばかりは少し乖離が大きすぎるような気がするので、久しぶりに素粒子物理の話をブログに書こうと思います。 OPERA は CERN から打ち出したニュートリノビームを、730km離れたイタリアのグランサッソという地下実験施設でで受け止める実験です。CERN から出るビームはミューオンニュートリノですが、ニュートリノ振動があるので長距離を飛ぶ間にタウニュートリノに変化し、これが測定器にあたる時にタウレプトンが出ます。この実験はそのタウレプトンを測ろうとするものです。主要な測定器はエマルジョン(写真乾板)という名古屋大学が長く手がけてきた装置で、日本の貢献が極めて大きいことでも知られています。 今回の発表はこのニュートリノ振動とは関係がなく、ニュートリノがグランサッソに到着す
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