物理学で一番有名な思考実験の1つは、アインシュタインが最初に提案した「双子のパラドックス」と呼ばれるものだろう。 双子の片方がほぼ光速で移動する宇宙船に乗って、どこかの星まで旅をしてから地球に帰還したとすると、その人は双子の兄弟よりも若くなる。 これは特殊相対性理論が述べている通り、移動速度が速くなるほどに時間の流れが遅くなる(「時間の遅れ」)ことが原因だ。 「シュレーディンガーの猫」もまた有名だ。ガイガーカウンターに連動してスイッチが入る毒ガス発生装置が設置された箱に、ネコと放射性元素と入れて密閉する。 放射性元素の崩壊率が50%だったとすると、あら不思議! 箱の中のネコは生きている状態と死んだ状態で同時に存在している(「重ね合わせ」)ことになる。 では、この2つを組み合わせたらどうなるのか? 『Nature Communications』(10月23日付)に掲載された論文では、重ね合わ
M. フィッシャー(カーネギーメロン大学) J. ノーブ(エール大学) B. ストリックランド(仏ジャン・ニコ研究所) F. C. ケイル(エール大学) 米国では政治的な二極化が進むにつれ,相手を言い負かすことを主眼とした「勝つため」の議論が多くなってきた。特にフェイスブックやツイッターなどオンライン上でそれが顕著だ。こうした議論のスタイルが,議論している問題に対する当事者の理解そのものを変えることがわかった。議論している複雑な問題に唯一の正解があると考えて,それ以外は認められなくなり,視野の狭い思考に陥る恐れがある。 再録:別冊日経サイエンス236「心と行動の科学」 再録:別冊日経サイエンス230「孤独と共感 脳科学で知る心の世界」 著者Matthew Fisher / Joshua Knobe / Brent Strickland / Frank C. Keil フィッシャーはカーネギ
12月12日、私は東京で、研究倫理に関するシンポジウムを傍聴していました。 少し疲れてスマートフォンを覗いてみると、ある情報がソーシャルメディア上で飛び交っていることに気づきました。 「STAP細胞はやっぱりあったのか!?」 「小保方さんは正しかったことを海外の研究者が証明し、論文が『ネイチャー』に掲載された!」 結論から述べると、ここで飛び交った情報にあるような理解は誤りです。 「損傷」という刺激で「多能性様細胞」ができた、が…… 根拠とされている論文は「損傷によって誘導された筋肉由来幹細胞様細胞群の特性評価」という題名で、米テキサス医科大学の研究者らがまとめ、『ネイチャー』と同じ出版社が発行する『サイエンティフィック・リポーツ』という電子ジャーナルに掲載されたものです。 題名からわかる通り、この論文は、マウスから採取した筋肉の細胞を「損傷」させて刺激したところ、多能性幹細胞、
「たくさん話しかけると植物がよく育つ」という説があるが、はたしてそれは本当なのか? 数々の実験や植物を育てている人たちの証言から「どうやら話しかけるといいらしい」との説が有力になりつつあるが、米国コロラド州の〈デンバー自然科学博物館〉が広告会社〈Carmichael Lynch〉との共同プロジェクトで、この通説の真偽を確かめるための大規模な実験を行っている。 「Talk To A Plant」(植物に話しかけよう)と題されたこのプロジェクトは、世界中の人からTwitter経由で植物当てにメッセージを送ってもらい、それを〈Carmichael Lynch〉が開発した技術で音声に変えて植物に聞かせるというもの。比較対象するため、まったくTweetを聞かせない植物も用意されている。 期間は今月11日から来年1月5日まで。すでに「やあ、植物くん、いい子にしてるんだぞ」「恥ずかしがってないで、もっと
Image credit: SpaceX スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)社は10月7日、垂直離着陸ロケット実験機グラスホッパーの飛行試験を実施、これまででもっとも高い高度744mまで上昇した。 グラスホッパーは将来の再使用ロケットの実現に向けて、ファルコン9ロケットを基に開発され、実験が続けられているロケットで、昔のSFに出てくるロケットのように、垂直に離昇して、垂直に着陸することができる。スペースX社はロケットを飛行機のように、同じ機体を繰り返し使用することを狙っており、グラスホッパーを使い必要な技術の研究が続けられている。 同機の飛行試験は今回で8回目となり、これまで大きな失敗はなく、順調に実績を積み重ねている。 スペースX社ではグラスホッパーの飛行試験と平行して、ファルコン9ロケットの第1段の回収、再使用の実施も試みている。これにより、打ち上げ後のロケッ
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アサヒ飲料はこのほど、アサヒグループホールディングスのイノベーション研究所と共同で、オレンジ果汁にアルコール代謝を促進する機能があることを実験で明らかにし、その機能が果汁に含まれる糖・有機酸による効果であることを確認したと発表した。 同研究は、これまで一般に調査されていない"果汁のアルコール代謝への影響"について、オレンジ果汁に注目し、実施したもの。結果は、8月29日から31日に開催された日本食品科学工学会で発表された。 オレンジ果汁に、飲酒後の血中アルコール濃度を低下させる機能 オレンジ100%果汁、およびオレンジ3倍濃縮果汁(100%果汁を3倍に濃縮したもの)と、比較するために水を用意し、それぞれ空腹状態のラットに与えた。30分後、エタノール5%液をラットに与え、1時間後、2時間後の血中アルコール濃度を測定した。 さらに、果汁に含まれるどの成分がアルコール代謝に影響を与えるかを調べるた
By dModer101 86年もの間継続され世界最長の実験としてギネスブックに認定された実験「ピッチドロップ」の実験責任者ジョン・メインストーン豪クイーンズランド大学教授が先週死去していたことが発表されました。研究者が生涯をかけても決定的瞬間に立ち会うことが許されないピッチドロップ実験は結局、どうなるのでしょうか? 「世界一長いラボ実験」の教授が死去、1927年に実験開始 国際ニュース : AFPBB News http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2964276/11248954 World's oldest experiment ready for a drop of excitement - CNN.com http://edition.cnn.com/2013/04/30/wo
こんばんは、D論執筆中のHajime0123です。気分転換?に記事を書かせて頂きました。さて、皆さんは、30年・40年後の化学者がどのように研究し、論文を出しているか、想像したことはありますか? Bioinformatics黄金時代と言われる近年、最近の5年間でも化学者の利用するツールはガラリと変わり、日進月歩のテクノロジーの恩恵を化学の分野でも受けています。ケムステも様々なウェブツールを読者に紹介しています。それではもっと先の未来ではどうなっているのだろう・・・と、ちょっとした機会があったので考えてみました。 一人数台”コンピュータ”時代 未来ではどこにいても、タブレットやスマートフォンを通してネットへのアクセスが可能となり、容量はテラバイト、マック・ウインドウズといった違いはもはや意味をなさなくなることでしょう。世界はフラットになり、アクセスできる情報量の差もなくなってきます。一人が7
赤ちゃんに図形を使っていじめの様子を見せたところ、赤ちゃんはいじめられた側に関心を示すとする実験結果を京都大学の研究グループが明らかにしました。グループでは「赤ちゃんが弱い立場の側に同情的な態度を示した結果で、人は本来、善人である可能性を示唆している」としています。 これは、京都大学大学院の鹿子木康弘特定助教らの研究グループが発表したものです。 研究グループは、ある図形が別の図形を攻撃していじめている様子をアニメ-ションで描き、生後10か月の赤ちゃん20人に見せました。このあと、赤ちゃんにアニメーションと同じ図形を選ばせたところ、80%に当たる16人がいじめられた側の図形を選んだということです。 研究グループでは、弱く苦しい立場の側に同情的な態度を示した結果と解釈できるとしています。グループでは、大人を対象に同じような実験を進めていて、大人では、いじめられた側に同情する割合が少なくなる傾向
【聞いてください。】 私がこのツイート達をまとめようと思ったのは、 私達が卒業生として感じた悔しさ、不当さ、やるせなさ、怒り・・・ そういった「熱」を、記録しておくため そして、その悔しさの一欠片でも、 誰かに伝われば良いなと思ったからです。 私達は、動物愛護団体であるJAVAと戦い 実験実習を取り戻そうとしているのではありません。 愛護団体を叩こうとしているわけでも 動物愛護の精神の可否について議論しようとしている訳でもありません。 私達はこれらの意見を 武器として用いようとしている訳ではなく 一介の学生の意見として 母校を想う熱として 保存しておきたかった所存であります。 実際、JAVAがでっち上げた記事や 非道な攻撃等については納得していません。 けれどそれを敢えて叩きたいとは思いません。 私達は戦うことを望んではいません。 ただ、ただ この卒業生の熱を 学生の想いを、 記録したかっ
2013年03月26日10:54 カテゴリ本 なめらかな社会とその敵 本書は2ヶ月ぐらい前に贈ってこられ、ちょっと読んだのだがよくわからなかった。その後、何人かが好意的な書評をしているので、もう一度、読んでみたが、やはりわからなかった。難解だというのではなく、何をいいたいのかがわからないのだ。 著者のいう「なめらかな社会」とは、組織の内部と外部を区別しないで、1人が多くのグループのメンバーになる社会、というほどの意味らしい。現在の日本がこの意味で「なめらか」ではなく、特に若者と女性を排除する構造がますます強まっていることは事実だ。これを解決することは容易ではなく、日本社会のほとんど全面的なオーバーホールを必要とするだろう。 ところが著者はこの問題を、ネットワーク社会の問題にいきなり一般化し、それをPICSYなる電子マネーで解決するという。これは昔、柄谷行人氏が立ち上げて失敗したNAMで実験
ダイソンの掃除機といえばパワフルな吸引力がウリですが、そこから「ひょっとしてこの吸引力なら火だって消せるのでは?」と思いつき、実際にダイソンの掃除機を使って火を吸引する実験を行った人が現れました。危険なので、決して真似しないで下さい。 Extreme Dyson Test - YouTube 「エクストリーム・ダイソン・テスト!」 屋外にマットを敷き、まずは可燃性の液体をまきます。 「本気で注意、可燃性の液体で遊んではいけません」とのことですが、誰もこれを真似しようとは思わないはず。 ぽいっと火をつけた紙くずを放り投げると…… 炎上。 さっそく掃除機のスイッチを入れて、火を消しにかかります。 ウオオオオオンとうなり声を上げるダイソンの掃除機、しかし火が消えているようには見えませんが…… あっという間に火が小さくなっていき…… 消火完了。炎を燃えていた液体ごと吸い取ってしまったような感じです
日本科学未来館(東京都江東区)は、企画展「波瀾万丈! おかね道―あなたをうつし出す10の実験」を3月9日(土)から6月24日(月)まで開催します。10の実験を経て、お金に対する行動特性が明らかにされます。 ▽ 企画展「波瀾万丈! おかね道―あなたをうつし出す10の実験」 企画展概要 | 日本科学未来館 (Miraikan) 企画展「波瀾万丈! おかね道」では、町を模した会場に10の実験場が設置されます。それぞれの実験場で「実験」「実験結果のタネあかし」「日常や社会への生かし方」という3つのステップを踏むことで、お金に対する行動特性が浮き彫りになっていきます。 「ホモエコノミカスの実験場」 ~まずは自分の合理性をチェック! 「ヒューリスティクスの実験場」 ~待った! その買い、間違えていませんか? 「同調伝達の実験場」 ~あなたのその判断が、バブル経済を起こす 「認知的不協和の実験場」 ~お
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