「蜜蜂と遠雷」が本屋大賞に選ばれ、全国の書店員に囲まれた記念撮影で笑顔を見せる恩田陸さん(中央)=東京都港区で2017年4月11日、佐々木順一撮影 「アンチ直木」次はどこへ 先ごろ発表された2017年本屋大賞(同賞実行委員会主催)の贈賞式は華やかだった。それもそのはず、受賞は恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎)で、恩田さんはすでに同作で1月の直木賞を射止めている上、12年前の05年本屋大賞を「夜のピクニック」(新潮社)で受けたのに次ぐ2度目の受賞。二重の意味でのダブル受賞に普段以上に注目度が高まったのだ。 とはいえ、本屋大賞は「アンチ直木賞」でスタートした。今回、直木との同時受賞は賞の変質を意味する。どのように変わったのか。まずは賞の変遷から見ていこう。