デンマーク・オールボーのクンステン美術館に展示されたイエンス・ハニング氏の作品(2021年9月28日撮影)。(c)Henning Bagger / Ritzau Scanpix / AFP 【9月19日 AFP】デンマークの裁判所は18日、アート作品の素材として使うために美術館が提供した7万ユーロ(約1100万円)相当の現金を使わずに、代わりに真っ白なキャンバス2枚を「金の持ち逃げ」と題して納品したアーティストに対し、一部費用などを除いて返金するよう命じた。 北部オールボー(Aalborg)にあるクンステン美術館(Kunsten Museum)は、アーティストのイエンス・ハニング(Jens Haaning)氏に対し、現金を並べてデンマークとオーストリアの平均年収を表した過去の作品の再制作を依頼。7万ユーロ相当の現金を、デンマーク・クローネとユーロで預けた。 この件についてコペンハーゲンの裁
このブログは2005年の7月に始めたものなので,ちょうど丸2年になる.過疎ブログであってもブログを書くことは大変楽しく,頻繁には無理にしても,細々とは定期的に更新しようと考えていた.ところが,とうとう先月は一つもエントリを書かなかった.このブログの最初に,「 ブログを始めるにあたって - 継続は力 」などという偉そうなエントリを書いたことが恥ずかしく感じられるほどである.気持ちを改めて,できるかぎりの更新を心がけるようにしたい. また無意味に前置きが長くなってしまったが,今回,ロイターの記事に大変勇気づけられる記事があったので,それについて書いてみたい. Australian granny, 94, becomes world's oldest master http://www.reuters.com/article/lifestyleMolt/idUSSYD3300820070802
POP*POPというブログを楽しみに読んでいるのだが,そのブログに以下のような記事があった: 芸術の価値を算出する?!MITの発明、『ART-O-METER』 ART-O-METER は,MITで発明されたガジェットで,芸術作品の評価をしてくれるという.ただ,その原理は簡単なもので,芸術作品の前で人々が立ち止まった時間を測定し,それが長いほどよい作品と判断するということだ.どこまで本気なのか分からないが,大変興味深く感じた. そして,この記事を読んで,芥川龍之介のMENSURA ZOILI という短編小説を思い出した. この小説では,芥川は,ZOILIA (ゾイリア) という架空の国へ向かう船の上の人である.このとき,その船の乗客の一人が,芥川に,ゾイリアで発明された「価値測定器」について話を始めるのである. 「価値測定器というのはなんです」 「文字通り,価値を測定する器械です.もっとも主
先日,岡本太郎の「青春ピカソ」という本について,エントリを書いた.この本は,160ページ程度の薄い本なのだけれども,刺激的でまた考えさせられる内容に満ちており,読むたびに強い感銘を受けてしまう.今回のエントリでは,前のエントリでは書けなかったことで,いつも共感する内容を一つだけ書いておきたい. 「鑑賞と創造」という節で,岡本太郎は以下のように主張する. いったい芸術において単に眺めるという立場があり得るだろうか.真の観賞とは同時に創るということでなければならない.観ることと創ることは同時にある.(中略) 創るとは決してキャンバスに向かって筆をとり,絵の具を塗ることだけではない.それはまったく形式的で素朴な考えだ.己れの世界観に新しいホリゾンを打ち開くことが実はクリエートなのである.真に芸術作品に対した場合,鑑賞者は己れの精神の中に何らかのセンセーションによって,新たに何ものかが加えられる.
「青春ピカソ」は,20世紀最大の芸術家であるピカソへの礼讃と,ピカソに芸術家として挑戦することを訴えた,岡本太郎の芸術論であり,人生の書である.この本を読む前,私が岡本について知っていたのは,「芸術は爆発だ」というどこかで聞いたセリフや,太陽の塔の製作者であり岡本かの子の息子であるといった,いわばありきたりの知識だけであった.ところが,本書は,岡本太郎に対するそのような私の理解を根底から覆すものであった. 本書「青春ピカソ」に現れる岡本太郎の筆致は,あくまでも理知的である.これは,20歳そこそこからパリに移り住み,様々な芸術活動を行うとともに,パリ大学で哲学などを学び,バタイユらと親交を深めたという,岡本のバックグラウンドによるものかもしれない. しかしながら,本書において読む者の心を揺さぶらずにはおかないものは,むしろ,その理知的な文章では隠しようのない,岡本太郎の燃えさかるような情熱で
損害保険大手のSOMPOホールディングスが保有するゴッホの代表作「ひまわり」の所有権をめぐり、ナチス・ドイツによる迫害で強制的に売却させられたとして、元の所有者の遺族が絵画の返還などを求める訴えをアメリカの裁判所に起こしました。 これに対しSOMPO側は「所有権の正当性に疑いの余地はない」として「ひまわり」の所有権を全面的に擁護していく姿勢を明らかにしました。 ゴッホの代表作「ひまわり」は、1987年にSOMPOホールディングスの前身の安田火災海上保険がおよそ53億円で落札し、当時の絵画の落札額としては過去最高となり話題を呼びました。 先月、アメリカ中西部イリノイ州の連邦地裁に提出された訴状によりますと、原告はドイツ系ユダヤ人銀行家の遺族で相続人の3人で、1934年にナチス・ドイツによる迫害で「ひまわり」を強制的に売却させられたとしています。 3人は「ナチスにより奪われた作品だと知りながら
新たにオープンする鳥取県立美術館がアンディ・ウォーホルの作品「ブリロの箱」5個を3億円で購入した。 県民からは「どこが美しいのか分からない」「5個も必要?」と疑問や批判の声。 税金3億円の使いみちは無駄遣いなのか、有効活用なのか。 実は、他の美術館でも過去に類似のケースがあった。その後の評価は… (柴田暢士、立町千明、金澤志江) 【リンク】作品購入の責任者 鳥取県教育委員会 美術振興監 尾崎信一郎さんに聞く 【リンク】行政支出に詳しい慶應義塾大学大学院の太田康広教授に聞く 「ブリロの箱」5点を3億円で購入 鳥取県は2025年春に倉吉市に開館予定の県立美術館の目玉作品として、ポップアートの旗手、アンディ・ウォーホルの代表作の一つ「ブリロの箱」を、ことし9月に5点購入した。 洗剤付きのタワシの包装箱をベニヤ板の箱に描いた作品で、1点はウォーホルが手がけ6831万円、残り4点はウォーホルの死後、
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A 17th-century painting showing a Black woman with her White companion has been placed under a temporary export bar to reduce the risk of the artwork leaving the United Kingdom. The anonymous painting, described in a statement by the Department for Digital, Culture, Media & Sport (DCMS) on Friday as “extremely rare,” is valued at £272,800 ($362,060). The block lasts until March 9, 2022 after when
日本画家、東山魁夷の作品をもとにした偽物の版画を制作したとして大阪の元画商ら2人が逮捕された事件で、2人が本物とほとんど同じ手法で偽物の制作を繰り返していた疑いがあることが捜査関係者への取材で分かりました。版画は専門の鑑定機関が存在しないということで、警視庁はこうした現状が悪用されたとみて詳しいいきさつを調べています。 大阪の元画商、加藤雄三容疑者(53)と、奈良県にある版画工房の経営者、北畑雅史容疑者(67)は、おととし1月までの2年間に、いずれも日本画家の東山魁夷の5つの作品をもとにした偽物の版画を無許可で制作したとして著作権法違反の疑いで逮捕され、28日、検察庁に送られました。 警視庁のその後の調べで、2人が本物の版画をパソコンでスキャンした画像をもとに色の成分などを細かく分析し、アルミ製の板に転写する方法で偽物の制作を繰り返していた疑いがあることが捜査関係者への取材で分かりました。
大阪中之島美術館の建物が公開。ブラックキューブと巨大な吹き抜けが意味するものとは2022年2月2日の開館を予定している大阪の新たな美術館「大阪中之島美術館」。その建物内部が報道陣に公開された。真っ黒な外観と巨大な吹き抜けが特徴的な同館の詳細をお届けする。 竣工した大阪中之島美術館 大阪の経済と文化の中心地である中之島に2022年2月に開館する大阪中之島美術館。その建物内部が公開された。 国立国際美術館に隣接するかたちで誕生する大阪中之島美術館は、もともと近代美術館を新たに建設するという大阪市制100周年記念事業のひとつとして、1983年に構想されたもの。90年に準備室が設置されて以降、長期にわたる検討を経て、2013年に中之島に美術館を整備することが決定。19年2月に建設工事がスタートし、今年念願の竣工を迎えた。民間資金を活用するコンセッション方式を取り入れた日本初の公共美術館としても注目
浮世絵に関心がある方なら、浮世絵がヨーロッパへ輸出する陶磁器の包み紙として使われていたという話を、どこかで聞いた記憶があるのではないでしょうか。それがきっかけとなって、浮世絵の素晴らしさがヨーロッパに伝わるようになった、と。 もう少しちゃんとした説明ですと、フランスの版画家であるフェリックス・ブラックモンが、陶磁器の緩衝材として用いられていた『北斎漫画』をたまたま発見。浮世絵の魅力を仲間たちに伝えたことをきっかけとして、「ジャポニスム」と呼ばれる日本美術ブームが、ヨーロッパで始まったと伝えられています。 浮世絵は、もともと日本において、安い値段で販売される紙屑同然のものでしたが、その芸術的な価値がヨーロッパの人たちによって初めて見出されるようになったという文脈でも、この話はしばしば語られています。 皆さんはこの話を聞いた時、どのような様子をイメージしたでしょうか?現在、陶磁器を持ち運ぶ際、
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