→紀伊國屋書店で購入 小学校・中学校・高校の先生になるためには、それなりの教育を受け実習もこなして、教職免許を取らなければならない。そのような関門があることは、煩わしいかもしれないが、先生になるために何をすればよいかが明確で、目標に向かって進みやすい。 一方、大学の先生になるためには、そのような国家試験などの免許は必要なく、したがって教え方の訓練など受ける機会はほとんどない。代わりに、研究者として一人前であることが条件となるが、これまた、何をどうすれば一人前になれるかもはっきりしていない。それぞれの研究者は、自分の周りの先輩を手本としながら、ローカルな情報に基づいて、自分なりの工夫を積み重ねていかなければならない。特に若いうちは、科学者の世界の全体像など見渡す機会がないまま、自分が選んだ方向に向かって進むしかなく、あとから振り返ると、しなくてもよい無駄な努力もたくさんしていたと気づいたりす