掲載料を目的にずさんな審査で論文を掲載するインターネット専用の粗悪学術誌「ハゲタカジャーナル」が増えている問題で、国内の医療系129学会(延べ約103万人)が加盟する日本医学会が、所属する医師や研究者にハゲタカ誌への論文投稿を控えるよう注意喚起した。ハゲタカ誌の増加は「学術誌への信頼を低下させる」と指摘している。国内の大規模学会によるハゲタカ誌への注意喚起は初めて。 8日付で注意喚起の文書を学会のホームページに掲載した。ハゲタカ誌を「悪徳雑誌」と表現し、「著者から徴収する掲載料収入のみを目的とし、論文の質の管理が粗雑」と批判。論文投稿先を慎重に選ぶよう呼びかけた。研究室の主宰者にも、ハゲタカ誌の情報を入手して各研究者を指導するよう求めた。研究倫理などに関し、同学会が加盟全学会に注意喚起をするのは異例という。