ユカタン半島に広がる熱帯雨林に、マヤ文明の都市遺跡はいまもたたずんでいます。その歴史は古く、古典期と呼ばれる最盛期は、西暦250〜900年ころのことです。日本でいえば、ちょうど弥生時代から平安時代にかけて、密林のなかに巨大なピラミッドや石造りの建造物が築かれたのです。 メキシコのユカタン半島北部にある都市ウシュマルは、ほかの古典期マヤの都市が滅びたあとも繁栄を続けた。プウク様式建築のくし形の屋根飾りが特徴的な「鳩の館」は、南部にあった強大なマヤの都市を次々と災厄が襲った9世紀に建てられた。プウクとは、ユカタン半島北部の丘陵の名前だ Photograph by Simon Norfolk, with permission of Conaculta-INAH, Mexico (c)2007 National Geographic(画像クリックで拡大) マヤの人々は天体の運行を詳しく観測し、正確