財政破綻論は「完全にデマ」である 【田原】藤井さんが掲げる提言「プライマリーバランスの黒字化にこだわるのをやめよ」、という問題を中心に話したい。2012年暮れに首相に返り咲いた安倍晋三さんは13年春以降、黒田東彦はるひこ・日銀総裁と組んで「異次元の金融緩和」をやった。 政府がお札を刷り、日銀が市中の国債はじめ株式や債券をガンガン買い入れ、出回るおカネを増やし、インフレターゲット2%を設定して、内需を拡大させようとした。「機動的な財政政策」で公共事業もやった。「成長戦略」と合わせて、アベノミクス三本の矢で日本経済をよくすると。 ところが『日本銀行「失敗の本質」』という本を書いた朝日新聞の原真人編集委員によれば、その結果、日本の長期累積債務は1200兆円、GDP比で220%に膨れ上がった。このままいけば間違いなく財政破綻で「第二の敗戦」だ、早ければ2025年にもそうなるという。藤井さんの反論を