表層的には似通った反応をみせた日独 内閣府は2月15日に2023年の国内総生産(GDP)を発表した。それによると、日本のGDPは前年比0.2%減の4兆2106億ドルとなり、4兆4561億ドルのドイツに抜かれ、世界3位から4位に転落した。 このニュースへの日独それぞれの反応が興味深い。日本では大きく報道される一方で、ドイツではさほど話題になっていないという違いはあるものの、日本の識者もドイツの識者も「円安が進んだだけのこと」「一喜一憂すべきではない」とコメントするなど、表層的には似通った反応を見せている。 ただ、その深層となると、かなり異なっているというのが私の印象だ。たとえば、日独両国で多く聞かれた「一喜一憂すべきでない」というコメント――。 ドイツでは自国が直面する経済問題から目を背けるべきでないという意味合いから、このコメントが多用されているように見える。GDP順位は統計上のことにすぎ