一切の前提条件なしに、年末までに平和条約を締結しよう――。ロシアのプーチン大統領が今月中旬、ウラジオストクでの東方経済フォーラムの全体会合で意表を突く提案を日本に投げかけた。その意図はなにか。ロシアの著名な国際政治学者フョードル・ルキヤノフ氏にモスクワで話を聞いた。 東方経済フォーラムでパネルディスカッションに出席する安倍晋三首相(左)、ロシアのプーチン大統領(中央)、中国の習近平国家主席(右)(写真:代表撮影/ロイター/アフロ) プーチン大統領はフォーラムの場でなぜ、あんな発言をしたのか。 フョードル・ルキヤノフ氏(国際政治学者):発言の場所は、ロシアにとって最も重要な東アジアのフォーラムだからだ。では大統領は何を言いたかったのか。(北方)領土問題をめぐる慎重でのらりくらりとした交渉に皆が疲れた、少なくともロシアが疲れた。このような交渉を続けても成果は見込めず、これ以上続ける意味がないと
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