[ロンドン 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 昨今の通念では、グローバル化が新たな経済的負け組を生み出し、政治への不満を噴出させたということになっている。英国民は欧州連合(EU)離脱を選び、米仏大統領選ではトランプ氏やルペン氏が支持を集めている。 いわゆる「置き去りにされた人々」の不満はもっともだが、そうした人々の存在は今に始まった話ではない。技術革新が古い労働力の必要性を奪い始めてからこの方、時代の要求に合わず職を失う労働者はいつの時代にもいた。 富裕国の多くの労働者が、貧困国の低賃金労働者に職を奪われているのは事実だ。しかし通説では、そうした失職者の経済的な将来は必然的に暗く、従って不満を抱えた政治グループにならざるを得ないという。それは誤りだし、歴史を読み違えている。 2世紀以上にわたり、経済の発展に伴って質量が同じモノとサービスを生み出すのに必要な労働時間は減少し