1.スマイルカーブと日本企業の位置づけ 産業構造上の上流・中流・下流による収益率の違いを説明する「スマイルカーブ」という概念がある。伊藤元重・東京大学名誉教授による説明を拝借すれば、次のとおりである。 繊維産業を例にとれば、上流は繊維素材のメーカーが、ハイテクの新繊維や炭素繊維などの開発により高い収益率を確保している。中流で、布を織る、あるいは洋服を縫製する企業は一般的に収益率が低い。下流は、例えばユニクロのような消費者ニーズに合致した商品を販売する企業の収益率は高い。 IT産業についてみれば、上流はインテルやマイクロソフト、中流は中国、台湾等の加工組立業者、下流はアップルなどが代表的存在である。 収益率のイメージを描くと以下のように、スマイルの時の口の形のような図になる。 中流に位置する産業分野は、モジュール化やグローバル化の進展による厳しいコスト引き下げ競争に巻き込まれやすいため、収益
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