裏千家茶道には許状の他に資格というのがある。以前は許状だけだったが、最近は取得した許状に応じて「初級」「中級」「上級」「講師」「専任講師」などの資格が伴うようになった。これは履歴書などに記入する際、一般の人にもわかりやすくするために設けられた呼称だそうだ。 が、そんな資格制度よりもはるかに有名なのが「茶名」である。茶名とはお家元(裏千家のお家元は代々千宗室)から一文字を取り、「宗○」という茶名をいただく。裏千家の場合は茶名=専任講師という資格になるが、日本的な習い事で「名前」を取るのが「それなりにやった証拠」だということは世間一般のお茶の世界と関わりのない方々もよくご存知である。 実際のところ、茶名を取ろうが取らずに済ませようが習うことができる点前の数には違いがない。茶名はあくまで「名前」であって、稽古のお許しをいただくのとはまた別の位置づけなのだ。だが、この茶名を取るか、取らずに稽古を続