インドではイノベーションが起きる領域が無数にある。前回は現地の起業家たちと膝詰めで事業を成長させてきたMistletoe Singapore(ミスルトウ・シンガポール)の大蘿(たいら)淳司氏にインド市場への入り込み方を聞いた。前回に続き、今回も大蘿氏に登場してもらい、インドで起きつつあるイノベーションの現在と、大蘿氏が今注目する領域について、つまびらかにしてみたい。 Mistletoe Singapore(ミスルトウ・シンガポール)の大蘿淳司マネージング・ディレクター(以下、大蘿):いまだに日本ではインドというと「まだまだ」という感覚を持ち、発展途上国であるという意識が強くあるかもしれません。 でも、発展途上国であることは、今や最大のメリットともいえるのです。新しいテクノロジーやサービスを阻む古い産業構造とかレガシー企業がないので、いきなり理想の形から入って、しかも一気に進めることができる