大陸間弾道ミサイル「火星17」の発射訓練を現地指導する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=3月16日、平壌(朝鮮中央通信=共同) 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)政権が外務次官談話で日本との協議を否定しない立場を明示した背景に、外交的にも経済的にも閉塞(へいそく)状況が続く中、その打開に向けた新たな交渉相手として日本を選んだ可能性が指摘されている。連携を強める日米韓にくさびを打ち込みたい思惑も見え隠れする。 ここ数年は日本「無視」北朝鮮は2016年に拉致問題の再調査を中断して以降、米韓に対話攻勢を仕掛けることがあっても、日本をほぼ無視してきた。ここ数年の経緯からすれば、今回の談話は唐突だった。 北朝鮮の元外交官で韓国政府の諮問委員を務める高英煥(コヨンファン)氏は、米韓との交渉が行き詰まり、中露からの支援も限られる中、「北朝鮮は扱いやすい相手として日本を戦略的に選択した可能