昨年の感染「第1波」から屋外にテントを張り新型コロナウイルスの診療を続けてきたが、今回の第5波は第4波までとは状況が全く異なる。インド由来の変異株「デルタ株」の蔓延(まんえん)で患者の年齢層が一変し、若い患者が多い。家族に感染者が出れば全員が感染するなど感染力の強さはまるで別の病気のように感じる。だが、これまでと違い症状が重い人しか入院対象にならない。 自宅療養を余儀なくされる患者には携帯電話の番号を教えてショートメールでやり取りし、大変そうならば電話を入れる。24時間、自宅療養者から続々とメールが届くが、重症者を見逃さない、死者を出さないという気概で1年半やってきた。最近、「野戦病院」という言葉が出てきたが、われわれは1年半前から野戦病院状態が続いている。開業医における通常診療とコロナ診療の両立に今でも悩み続けている。 《感染症法では、感染力や致死率などをもとに1~5類と「新型インフルエ