【テヘラン鵜塚健】イランの宗教指導者2人がこのほど、ドイツ在住のイラン人ラップ歌手、シャヒン・ナジャフィさん(31)の歌がイスラム教を侮辱したとして、ナジャフィさん殺害を容認するファトワ(宗教令)を相次いで発令した。イスラム系ウェブサイト「シーア・オンライン」は今月10日、殺害の懸賞金10万ドル(約800万円)を出すと宣言し、独警察がナジャフィさんを保護する事態に発展している。 ナジャフィさんはイラン政府に批判的で、都市部の若者に人気のラップ歌手。イラン当局の厳格な規制を逃れ、05年以降、ドイツで活動している。問題になった歌はペルシャ語で、イスラム教シーア派が重視する9世紀の宗教指導者の名前を連呼しながら、イランの宗教体制や社会の腐敗を皮肉交じりに指摘。動画サイト「ユーチューブ」で話題になっている。 イランメディアによると、高位指導者のゴルパエガニ師やシラジー師がそれぞれファトワを出し、ナ