今年4月から日本テレビ系列で放送予定だったドラマ「たーたん」の制作が中止になった。 原作は、現在も「ビッグコミックオリジナル」(小学館)で連載中の西炯子さんによる同名コミック。主人公の上田敦は冴えない童貞男。15年前、友人から1人の赤ん坊を預かった。その友人は殺人を犯し刑務所に入っていた。赤ん坊の名は鈴。敦は鈴を実の娘のように懸命に育てた。童貞のまま父親になった男と本当の親を探し求める娘の成長の様子を描いた作品である。 原作の「たーたん」は未完作品 「小学館×日テレ」の“再タッグ”に異論が噴出していた しかし、昨年10月から同じく日テレ系列で放送されたドラマ「セクシー田中さん」(小学館「姉系プチコミック」)の原作者で人気漫画家の芦原妃名子さん(享年50)の訃報が1月29日に伝えられると、「たーたん」の制作は迷走。「原作・小学館×ドラマ・日テレ」という“再タッグ”に加え、「セクシー田中さん」
原作者が尊重され、守られるように――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子 『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は、映像化の際に原作者に大きくかかる負担について、小説家であり、かつて脚本家志望だった柚木さんからの提言です。 ※当記事は連載の第35回です。最初から読む方はこちらです。 #35 映像化と原作者 テレビドラマにもなった漫画「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんがお亡くなりになった。映像化にあたっての条件が守られず原作が改変されてしまい、それを防ぐため自ら脚本を書くなどして、心身ともに疲弊していたことが背景にあるようだ。私はドラマも原作もその違い含めて楽しみにしていたので、事情を知って、申し訳ない気持ちになっている。 作品を守るためには、原作者がたった一人、身を削
人気ドラマ「セクシー田中さん」(日本テレビ)の原作者・芦原妃名子さんが急逝した。亡くなる直前、芦原さんは「原作から大きくかけ離れた別人のようなキャラクターに変更される」などと、ドラマの脚本をめぐるトラブルをSNSに投稿していた。なぜテレビ局は原作通りの映像化を進めなかったのか。テレビ東京でドラマ・プロデューサーを長く務めた、桜美林大学教授の田淵俊彦さんは「原作モノのドラマを映像化するためには、4項目を完璧に遂行する必要がある。しかし、今の日本のテレビは、それができる時間も、カネも、余裕もない構造的な欠陥を抱えている」という――。(後編) テレビ局が、原作マンガを原作通りにドラマ化できない理由 前回、私は「今回の“不幸な”事件がなぜ起こってしまったのか」という原因として、①「ドラマ偏重主義」からくる「ドラマ多産化現象」と②コミュニケーションの断絶を挙げた。その後、大きな反響と意見や質問を皆さ
劇作家・鴻上尚史氏、「セクシー田中さん」作者・芦原さん死去めぐる問題で持論展開 問題は「原作者と脚本家ではなく、出版社とテレビ局」 拡大 劇作家・演出家の鴻上尚史氏が4日、自身のX(旧ツイッター)を更新。昨年放送の日本テレビ系ドラマ「セクシー田中さん」の原作を手がけた漫画家・芦原妃名子さんが1月に死去したことに端を発する騒動について言及した。 鴻上氏はXで、人気漫画「海猿」「ブラックジャックによろしく」の作者・佐藤秀峰氏が2日に公開した「note」を引用。「痛ましい出来事の激震が続いています。僕自身、原作を提供したこともあるし、脚色したこともあります。僕はずっと今回の悲劇を『原作者と脚本家』の問題にしてはいけないと思っていました」と述べた。 さらに「原作者さんの中には、『絶対に変えないで欲しい』と要望する人もいるし『おまかせします』と言う人もいます。それは、いいとか悪いの問題ではなく、原作
・いいひと。 :フジテレビ(修正しました) 原作者が主人公とヒロインのキャラを変えるなと念を押していたが改変しまくり。 原作者ブチ切れで原作クレジットから原案クレジットへ変更。 「いいひと。」を守れなかった責任は作者にあると連載終了を決意。 ・おせん :日本テレビ 原作を大きく改変し主演男優(ジャ◯ニーズ)の演技もひどく炎上状態に。 ドラマを見た原作者がが原作と違いすぎてショック。もうやってられんと連載休止に。 最終的に原作クレジットが原案に変更されてしまう。 ・八神くんの家庭の事情 :テレビ朝日 作品のキモである「高校生の主人公が若く見えすぎてしまう母親を女性として意識してしまう」という設定に どう見てもババアにしか見えない女優をあて、ストーリーや設定を改変しまくり。 原作者がやっぱりブチ切れて、最終的に原作クレジットが原案クレジットに変更されてしまう。 ・ハガネの女s2 :テレビ朝日
NHK大河ドラマ『どうする家康』で主人公・徳川家康を演じる嵐の松本潤(40)が、プロデューサーに指示するなどして、自身が格好良く映るように台本を書き換えていることが、「週刊文春」の取材でわかった。家康の台詞が書き加えられた台本を入手した。 “殿”と呼ばれる松本(ドラマHPより) 自身が格好良く映るように台詞や演出を変更 『どうする家康』の脚本を手掛けるのは、『相棒』(テレビ朝日系)や『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)などで知られる古沢(こさわ)良太氏。今作で描いたのは、従来の家康像とは打って変わり、“か弱きプリンス”が悩みながら戦国乱世を生き抜く姿だ。ドラマは現在、佳境に突入し、天下分け目の決戦・関ヶ原の戦いが近づいている。
日本企業の技術を入手しようと、海外の産業スパイが暗躍――。そんな「サスペンスドラマ」が9日に公開される。あの手この手で機密情報を狙うスパイに、俳優・のんさんらが扮する登場人物が立ち向かうという内容だ。企画したのは、国家の治安を担う警視庁公安部だ。 ドラマは3編構成で、計約30分。超高速ネットワークシステムを開発したITベンチャー企業の社員たちから情報を得ようと接触してくるスパイに対し、のんさんが演じるシステムエンジニアが公安部の警察官(筧利夫さん)とともに、技術流出の防止に奔走する。 物語はフィクションだが、動画で紹介される手口は公安部が過去に実際に手がけたスパイ事件や近年の動向を参考にして作られたという。制作費は約1800万円。過激派やカルト宗教といった組織を対象に秘匿性の高い捜査が求められる公安部が、誰でも見られるドラマの企画に携わるのは極めて異例だ。 背景には、スパイの手口を知っても
旦那と鎌倉殿の13人を見ている。 すごく面白い大河ドラマ。 ていうか、大河ドラマ自体みるの初めてで、面白すぎでびっくりしてる。毎回こんなのなの? 鎌倉ストーリー、歴史クラスタはよく知ってるのかもしれないけど、 「鎌倉時代=ご恩と奉公」 しかわからないし、なんならそれが何かも知らない夫婦にとって、ネタバレなしのリアルタイム鎌倉ストーリーはめちゃくちゃ面白い。 大泉洋が頼朝なのに、ドラマの途中で死んでしまったりする。 頼朝、鎌倉時代にずっと生きてないの?頼朝死んだら次の時代にならんの?ってびっくりして調べたら鎌倉時代、200年以上あってびびる。 それは鎌倉時代の途中で頼朝死んでもしゃーない。 そして旦那は「頼朝死んだから、次は戦国時代やな(キリッ)」って言ってたけど、調べたら次は室町時代だった。 室町は一休さんの時代っていうのはわかってたけど、アニメの将軍様が、平安貴族みたいな格好してるから、
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、群像劇にたけた三谷幸喜さんの脚本らしい、坂東武者たちの個性が光る作品だ。なかでもとぼけた味わいで話題を呼んでいる一人が、主人公・北条義時の父、時政。演じるのは、歌舞伎俳優、坂東彌十郎さんだ。歌舞伎で、ドラマに登場する梶原景時や工藤祐経を演じたこともある、彌十郎さん。でも、撮影開始前の三谷さんからのリクエストは「四角張らず、江戸の長屋のおやじみたいに」。「いいんですか?」と驚きつつ、あの魅力的なキャラクターをどう作り上げていったのか。彌十郎さんが、「鎌倉殿」の名場面も交えて語ってくれた。 12日の放送回で描かれる「曽我兄弟の仇討(あだう)ち」事件を題材にするなど、人形浄瑠璃文楽や歌舞伎には鎌倉時代を舞台とする作品が数多い。そこでの時政は専ら、謀略にたけ、腹の底が見えない人物として登場する。 「どうしても、ダークなイメージがあるんです。とにかく全部、忘れよ
主人公は紫式部 時代は平安 千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた女性 「光源氏」の恋愛ストーリーの原動力は 秘めた情熱と想像力 そしてひとりの男性への想おもい その名は藤原道長 変わりゆく世を自らの才能と努力で生き抜いた女性の 愛の物語 躍動せよ! 平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部 2024年の大河ドラマは平安中期に、のちに世界最古の長編小説といわれる『源氏物語』を生み出した、紫式部の人生を描きます。武家台頭の時代を目前に、華やかにひらいた平安文化の花。きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生に挑戦する大河ドラマです。 平安時代といえば、十二単じゅうにひとえ姿の女性が長い髪をひいて伏している絵を思い浮かべませんか? その優雅さはともかく、実は平安はアクティブな時代。男は仕事先や寺社、はては野山まで馬で馳はせ、女も自分の財
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第13回では、源頼朝の叔父・源行家が木曽義仲のもとを訪れ、盛んに挙兵を促していた。この間の事情について、深く掘り下げてみよう。 ■連戦連敗だった源行家 源頼朝が東国経営を進めるなかで、同じ源氏の面々と協力関係を結ぶことに腐心した。甲斐の武田信義とは、最初こそ微妙な関係だったかもしれないが、やがて良好な信頼関係を構築することに成功した。源氏の棟梁として、認められつつあったのである。 ここで問題になるのが、源行家だ。行家は頼朝に決起を促すが、断られると独自に行動した。治承5年(1181)、行家は義円(頼朝の弟)とともに墨俣川の戦いで平家と交戦したが、あっけなく敗北を喫した。行家はうまく逃げたが、義円は討ち死にした。 行家は盛んに合戦を勧めるが、自身はほとんどの戦いで惨敗し、実績がほぼ皆無だった。それゆえ、頼朝は行家を頼りにしていない節があり、行家は孤立して転戦して
『鎌倉殿の13人』(NHK総合)第10回「根拠なき自信」。源頼朝(大泉洋)は平家の追討軍を見事に退けた。鎌倉では、政子(小池栄子)が「御台所(みだいどころ)」と呼ばれるようになり、人と「目通り」する機会が多くなる。政子はりく(宮沢りえ)の思いつきで雅な作法を身につけることになった。そして八重(新垣結衣)は侍女として頼朝のそばで働き始めるが、亀(江口のりこ)は八重に疑念を抱く。 第10回では、頼朝を取り巻く女性に対抗心を燃やす亀の怖さが目を引いた。亀は頼朝の妾であり、侍女頭だ。亀が初登場した第7回では、「人妻だったのか」と驚く頼朝をさほど気にする様子もなく「言ってなかった?」と返したり、頼朝の命を狙う長狭常伴(黒澤光司)と亀の夫・権三(竹内まなぶ)が大乱闘を繰り広げる中、「だったらついでにうちの人も討ち取って」と言ったり、コミカルな印象が強かった。しかし亀を演じる江口の演技の真骨頂は、正妻・
平野啓一郎 @hiranok 小説家。1975年生。小説『マチネの終わりに』、『ある男』、新書『私とは何か 「個人」から「分人」へ』など。小説『本心』(文藝春秋社)5/26刊行!メールレター k-hirano.com/mailmagazine/ インスタ instagram.com/hiranok/ k-hirano.com 平野啓一郎 @hiranok ドラマが過剰演出でダサくなってしまう問題(やたらと怒鳴る、ムシャクシャすると部屋で暴れる、説明的なクドい台詞、ずっとBGM鳴りっぱなし…etc)の根底にある「じゃないと伝わらない」という不安、かつての家電のデザインをダサくしないと「売れない」という思い込みと重なる気がする。止めるべし。 2022-01-16 17:41:11
元禄15年12月14日、大石内蔵助をはじめとする四十七士が吉良上野介を討ち取る「赤穂事件」が起こった。これに至る顛末を描いたのが「忠臣蔵」だ。かつてはよくドラマや映画になった「忠臣蔵」だが、最近では映像化される機会も格段に減ってきている。いったい、なぜなのか…? 時代劇研究家の春日太一氏の新刊『忠臣蔵入門』から、その理由を紹介しよう。 実は「一大プロジェクト」だった 忠臣蔵の映画やドラマが長いこと作られてきた背景として、作り手側にも大きな事情がありました。 「忠臣蔵」は大きな見せ場だけで六つあります。それぞれ屋内が主な舞台になるため、セットを作る必要があります。 「松の廊下」であれば、かなり長い廊下で襖に大きな松が描かれている。「大評定」の広間は赤穂藩の藩士全員が入る広いスペースになります。それから、祇園で大石が遊ぶ遊郭に「東下り」の宿に瑤泉院の屋敷。さらに討ち入りで使う吉良邸のセットも、
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