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ブックマーク / georgebest1969.typepad.jp (25)

  • 日本の新型コロナ対策を総括する

    海外事情」に寄稿した文章です。許可を得てこちらに転載します(初稿)。書いたのは昨年12月なのでデータはやや古くなりましたが、「総括」なので、内容は特に問題ないと思います。御覧ください。 緒言 日の新型コロナ対策を「総括」、すなわち総合的なパースペクティブからまとめようとしたものが過去に2つ存在する。一つは、書籍になった「新型コロナ対応/民間臨時調査会 調査・検証報告書」[1]であり、もう一つは、政府が招聘した新型コロナウイルス感染対応に関する有識者会議が出した「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」[2]である。 しかし、前者はどちらかというと「証言集」に近く、やや厳しい言い方をすれば、「個人の感想」集であり、属人的なものだった。データ解析、ファクトの解析には乏しかった。後者については政府に依頼されて役人が突貫工事でまとめたも

    日本の新型コロナ対策を総括する
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    REV 2023/03/30
    「諸外国では診療情報やワクチン接種データ、ウイルスの変異株のデータも突合が可能なため、大量のデータを用いた迅速な解析、学術発表」じゃあと日本が10兆円を委託しても実作業の委託費用は1615万円で「紙のがマシ」
  • 主治医制度という非効率について

    これも今書いているの一部です。長いです。 今はどうなっているかは分からないのですが、そういえばぼくが米国のニューヨーク市で研修医をしていたときには、 開業医が病院でも主治医をやる、というシステムを取っていました。かかりつけの患者さんが何かの理由で入院すると、その開業医が主治医となる。その場合は「プライベート患者」という枠組みになり、ぼくら研修医はその医師の指示に従って検査や治療を遂行するのでした。 ぼくが勤務していたセントルークス・ルーズベルト病院では、そういうプライベート・プラクティスの患者さんも概ね、問題なく診療できていました。しかし、なかには明らかに入院診療に慣れていない医師もいて、そういう医師の指示は非効率だったり、最新のエビデンスから外れていた非科学的なものだったりして、研修医の評判はよくありませんでした。「おれ、またドクターAのプライベート患者もっちゃったよ。変なオーダーばか

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    REV 2022/07/22
    このへんの話題、「徴兵もしくは募兵の常備軍は再編成が容易だが、封建貴族の領軍や藩の藩兵は柔軟な再編成や再教育が難しい」っていう話かなあ(※Web小説の知識です)。
  • オリンピックは開催できるか

    論の理路は長い(あと、やや分かりにくい)ので、お手数ですが端折らず最後までお読みください。 以前、「成人式には行かないで」というブログを書いた。同様に、アスリーツに「オリンピックにはこないで」というメッセージを出せばよい、というご意見を頂いた。 稿のテーマは「オリンピックは開催できるか」だが、その前に「アスリーツに来ないで」というべきかについてコメントする。 アスリーツにオリンピックに来ないで、というべきではない。 成人式に行かないでほしい、という意見は、新成人が(しばしば)都会から田舎に移動し、旧友たちと旧交を温め、実家に帰り、家族親類と久方ぶりに再会する、というシナリオが容易に想定できたからだ。それは感染リスクの拡大のみならず、ハイリスクな高齢者への感染の広がりのリスク増加を意味する。成人式なんかに出なくたって成人はする。ぼくも外国にいたので成人式には出なかった。成人式に出る「価値

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    REV 2021/05/10
    総理大臣は東條英機から小磯國昭になり、そして鈴木貫太郎が総理になった。あと何年かすると、「日本の二番目に長い日」とかいう映画になったりするのだろうか。
  • 検査について、の補足

    前回は、検査についてかなり質的な話をしました。臨床医学、臨床感染症学においては、検査の属性、、、感度とか特異度など、、、だけを議論しても検査の是非は論じられません。大事なのは 状況判断 です。周辺の状況を無視して、検査をするとかしないとか、議論してもその議論は空回りするだけで意味をなしません。 そして、感染者が非常に少ないコミュニティにおいて、ルーチンの検査を行うと検査は間違える可能性が高くなります。これはすべての検査に共通する一般的な特徴で、PCRだろうが抗原検査だろうが、抗体検査だろうが、関係ありません。事前確率が極端に低くなると、検査は役に立たないのです。 このことは、非常に優秀な検査であるHIVのELISA検査で我々が長く経験してきたところです。HIVの検査は感度も特異度も非常に高いスグレモノの検査ですが、これをルーチンで手術の前に何も考えずにやっていると、陽性結果はほとんど「ガ

    検査について、の補足
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    REV 2020/06/26
    有病率の低い疾患のスクリーニングは偽陽性をばらまく。ここで(架空の)医師に「あなたはエイズ検査陽性です」と不用意に告げられた(架空の)患者がショックを受け自殺を図るのがベイズ書籍の定番。ここで偽陽性の計算
  • マスクについて

    この話も、当はネットに挙げたくはなかったのです。絶対怒られるから。何を言っても。 とはいえ、何も言わなければさらにデマが広がってしまうというジレンマが生じてしまいます。よって、ここでマスクについても説明します。これも長いですよ。 実は、マスクについての考え方について、新しく説明すべきことはあまりありません。どうしてかというと、その考え方は、 検査の考え方 と全く同じだからです。すなわち、 マスクの属性 だけで、マスクを論じてはならない。マスクがどのように飛沫の放出を防ぐかとか、防がないとか、富岳のシミュレーションでどうだとか、そういう「マスクの性能」は議論の一部をなすけれども、議論の全てではないってことです。 察しの良い読者はお気づきでしょう。そう、実はマスクの議論も、検査の議論同様、 状況の判断 が大事なのです。もう少し詳しく説明しますね。 マスクの効果についてはすでにメタ分析が出てい

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    REV 2020/06/25
     コミュニティーにほとんどウイルスがいないK○BE市(仮称)に入った熱のある人(3日前歌舞伎町でパーチーに出席)「ああ、K○BE市の皆はマスクしていない。ここではマスク不要なんだな。外しとこ」
  • 検査について

    いまから、検査について説明します。 検査の話をすると、どんな話をしても必ずどっかからすごい怒られます。だから、この原稿もにするだけでネットに挙げないつもりでいました。ならば、基的には少なくとも最後までちゃんと読まなければ文句は言えないので(読まずに文句言う人もいますが、、、密林とかで)。しかし、最近「入院患者は全員PCRだー」といった意見があちこちで聞こえるようになったので、イヤイヤ、ネットに上げざるを得ませんでした。先回りして結論を今言っておきますが、入院患者全員にPCRは、しないほうがいいです。 相変わらず長いです(笑)。最後まで読まない人、読めない人はからんでこないでくださいね(笑)。我ながら、よい予防線だ。 まずはPCRから PCR、ポリメラーゼ連鎖反応はウイルスの遺伝子を見つける検査です。定量的な検査と、定性的な検査があります。 定量的な検査とは、ウイルスがたくさんいますよ

    検査について
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    REV 2020/06/24
    分析感度(特異度)と診断感度(特異度)の差について。症状が消失し咳や唾液の感染性が消失した段階でのPCR陽性は偽陽性か真陽性か
  • なぜ、国ごとに差が出たのか。そして第二波がどうなるか。

    現在、準備している文章の一部です。長いです。 以下に述べることは多分に仮説に基づいている個人的な見解です。 基的にぼくは診療のプロで、予測のプロではないために、未来予測はしないことにしています。臨床屋がやるべきは「想定されるシナリオを全部想定して、そのすべてのシナリオに対する最適解を模索する」ことです。なので、予測の欲望には抑制的であるべきで、「未来はこうなる」とは言わないものです。 しかしながら、今回はその定石をあえて選択せず、ある程度未来予測めいたものについても言及します。すなわち、「第二波がどうなるか」です。なぜ、未来予測めいたものを述べるに至ったかは、稿をお読みいただければご理解いただけると思います。 読者の皆さんを焦らすのはぼくの意ではありませんから、先に結論を申し上げておきます。つまり、 「第二波は第一波より(いろいろな意味で)小さいものになる可能性が高い」 というもので

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    REV 2020/06/23
    イタリアは「一帯一路」、日本は中国最高指導者の訪日で門戸広げてたので…
  • 慶応のPCR6%の意味

    慶応大学病院が無症状の患者67人に新型コロナウイルスSARS-CoV-2のPCRを行い、4名が陽性であったと発表した。6%である。 これだとnが少ないのでシンプルな二項検定を行うと、95%信頼区間は 1.7%-14.6%となる。東京都民の1395万人に当てはめると 237,150人-2,036,700人となる。今朝(4月23日)見た、PCRで陽性になった感染者の累計が3,439人だから、実際の感染者はPCRで把握されている患者の69-592倍いる、ということになる(追記。これは観察期間が違うので不適切な分数でした、すみません。実際はもっと大きな数になります。慶応の検査実施期間が報道では分からなかったので適切な計算は今できませんが、要するに「分かってるよりずっとずっとたくさん」ということだ)。 PCRの感度は30-70%くらいと考えられるから、楽観的シナリオだと真の感染者は4/0.7=約6人

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    REV 2020/04/23
    「東京都の感染者は良いシナリオで23万人以上、悪いシナリオで430万人」 一部の人の大好きな、全数検査、陽性者施設収容を実施していたら、今頃ビッグサイトや公民館、ホテルに病院は感染者で埋め尽くされていたのか
  • ロックダウンはするしないの二元論ではない。「する際の条件」こそが重要である。

    東京はロックダウンすべきだ、とすでに述べた。これに対して「ロックダウンすると経済的損失が大きすぎる」という意見がある。 それは事実で、ロックダウンには多大な副作用が存在する。経済活動の巨大な縮小であり、これは経済リスクのみならず、人々の健康リスクにもなりうる。シンプルに言えば、金がなくなればべるものがなくなるわけで、飯をわねば、人は生きていけない。 それでも。私は東京エリアのロックダウンを主張したい。政治家・官僚の方々にはぜひ「ロックダウンで人が飢え」たりしないよう、皆様の職能を最大限発揮していただきたい。感染対策的意思決定はプロに任せて。 繰り返すが、私はロックダウンという行政措置、政治的判断のプロではない。よって、どのようなロックダウンが現実的に可能で、かつ最適なのかは知らない。ロックダウンの原則は以前書いたように対象地域内外の人の出入りを止めることと、対象地域内で人が「家にいる」

    REV
    REV 2020/04/06
    「「ロックダウンにはこんな欠点が」という「出来ない理由」をいくら羅列されても、それはなにもよいものはもたらさない」所得・営業補償がなければロックダウン認めないというのは「出来ない理由」にあたりますか?
  • 事実に誠意を

    これから書くことはほとんど、これまでも繰り返し申し上げてきたことと変わりない。が、同じ質問は繰り返し受けているので、再度申し上げる次第である。なお、海外からも同様の問い合わせが多いので来であれば英語でも同じ内容の文章を用意すべきだが、時間の関係で割愛させてください。Chromeかなにかでそれぞれ母国語に訳してお読みいただけると幸いです。なお、稿は特に感染症学の基礎知識やジャーゴンを知らなくても読めるように工夫はしているが、それなりに難解な内容だ。その点はご容赦いただきたい。 日COVID-19報告数が諸外国に比べて非常に少ないことに内外から注目が集まっている。あれは当なのか。検査数が少なすぎて、実際の感染者数を見誤っているのではないか、という指摘がある。 しかし、この指摘はいろいろなレイヤーにおいて間違っている。そもそも、日COVID-19の全数把握を目指していない。行政検査

    事実に誠意を
    REV
    REV 2020/03/27
    これまでは単発銃で対応できたが、敵が増えてきたので機関銃で弾幕が必要、みたいな話。しかし、食料弾薬空輸しまくりの連合軍と違い、皇軍はジンギスカンなので…
  • 結果を出すということ(COVID対策)

    昨日、風邪の人は自宅で安静に、という話をしました。その根拠も示しました。 このことは、COVIDの数を全数把握する意味はない、ということを意味しています。風邪の数を数えても得るものは小さいからです。もちろん、数の推計は技術的に可能かもしれませんし、風邪の経済的損失も無視できませんが、さしあたりその問題は相対的には大きくない。 さて、すべての感染対策は「うまくいった」「いかなかった」の基準が必要です。日のCOVID対策は、中国以外で世界で最初に地域内クラスターを多発させ、(おそらくは)クルーズ船内での二次感染を許容しました。現段階では「当初の予定通り」とはとても言えません。来ならば、世界各国に歩調を合わせて二次感染の発生を追跡可能な範囲に止め、クルーズ内2次感染は許容してはならなかったからです。 昨日も書きましたが、感染対策はうまくいったりいかなかったりします。100%完璧にやる、という

    REV
    REV 2020/02/17
    “うまくいかなかったという事実から目を背けて「うまくいっている」ふりをするのは一番いけません。”
  • 経口三世代セフェムへの決別(フロモックス、メイアクト、トミロン、バナン、セフゾンなど)、もちろん経口カルバペネムも

    経口三世代セフェムへの決別(フロモックス、メイアクト、トミロン、バナン、セフゾンなど)、もちろん経口カルバペネムも タイトルが長くてすみません。 ここ数年、経口三世代セフェムを処方することがほとんどありません。フロモックス、メイアクト、バナン、セフゾン、トミロンといった、薬たちです。その一方、「風邪」にこのような抗菌薬を出されている患者はものすごく多いですし、「熱」に対してこれらの抗菌薬を出されてかえって原因がわかりにくくなる「迷惑なセフェム」もしばしば見ます。 結論を申しましょう。もはや、医療界はもう、経口三世代セフェムと決別すべきです。もちろん、経口カルバペネムなどはもっての外です。 しばしばこれらの抗菌薬が出される上気道感染症、下気道感染症(急性気管支炎)はウイルス性で、あるいはたとえ細菌性であっても自然治癒するため、抗菌薬はそもそも不要です。急性中耳炎も急性副鼻腔炎も抗菌薬なしで治

    REV
    REV 2019/10/28
    感染症の専門家が、無益有害と蛇蝎の如く嫌う経口抗菌剤の話。ちなみに俺は長い日本語URLは蛇や蝎のように嫌い。
  • あるなし問題の論じ方

    HPVワクチン(いわゆる子宮頸がんワクチン)の副作用としてHANSという疾患概念が提唱されている。HANSはHPVワクチン関連神経免疫異常症候群の略であるから、HPVワクチンに関連している、がこの疾患概念のキモだ。 HPVワクチン接種のあとで、「口内炎、記憶障害、関節炎、学力低下、自律神経障害、睡眠障害などの様々な症状」が出現する人達がいる。これは厳然たる事実だ。問題は、それが「HPVワクチン関連」、すなわちHANSなのか、である。様々な見解があり、決着がついていない論争である。 HANSの問題はいわゆる「あるなし問題」である。ぼくはすでに2016年にHPVワクチンの問題については総括しており、その結論は今も変わっていないが、今回は命題をより一般化させて「あるなし問題の論じ方」を考えてみたい。 まず結論から述べると、「あるなし問題」そのものを議論するのは不毛である。だから、止めておいたほう

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    REV 2018/08/17
    「何も産まない議論(futile discussion)が多すぎる」
  • 日本人は(案外)怠惰である

    人は怠惰である。勤勉ではない。 効率の悪い仕事だと分かっていても、意味のない書類だと分かっていても、意味のない会議だと分かっていても、怠惰だから改善しようという努力をしない。流れに任せて、ダラダラと仕事をし、ダラダラと書類を書き、会議でぼーっとしている。 日人は怠惰である。だから、「できるための条件」ではなく、「できない理由」ばかりを思いつく。現状維持への重力に弱いのである。 仕事を効率よく進めようという努力を怠り、夜遅くまでダラッと職場に残っていても意に介さない。仕事を早く終わらせて帰宅したら、パートナーの話を聞いたり家事や育児をしなければならない。だらっと職場にいたほうが楽に決まっている。 「勤勉な」例外的日人は、例えばサッカー選手でいえば田や遠藤である。彼らは常に努力している。自分が変わるための。でも、多くの人たちは指導者のいうままに、何百回も同じようなシュート練習を繰り返

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    REV 2014/04/20
    努力とメタ努力について。
  • 楽園はこちら側

    海外事情」に寄稿した文章です。許可を得てこちらに転載します(初稿)。書いたのは昨年12月なのでデータはやや古くなりましたが、「総括」なので、内容は特に問題ないと思います。御覧ください。 緒言 日の新型コロナ対策を「総括」、すなわち総合的なパースペクティブからまとめようとしたものが過去に2つ存在する。一つは、書籍になった「新型コロナ対応/民間臨時調査会 調査・検証報告書」[1]であり、もう一つは、政府が招聘した新型コロナウイルス感染対応に関する有識者会議が出した「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」[2]である。 しかし、前者はどちらかというと「証言集」に近く、やや厳しい言い方をすれば、「個人の感想」集であり、属人的なものだった。データ解析、ファクトの解析には乏しかった。後者については政府に依頼されて役人が突貫工事でまとめたも

    楽園はこちら側
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    REV 2013/07/27
    パターナリズム:「定額預金にしなさい」 筆者の考える顧客中心:「情報を渡すので普通預金でもFXでも選んで下さい」 顧客の考える顧客の権利:「値上がりする株を売ってください。値下がりしたらキャンセルね」
  • 理念と現実 アメリカと日本を比較する

    いくつかの日の学会をはしごしたあと、アメリカの感染予防学会(とでも訳すのかな?APIC)に来ている。それにしても、梅雨の日から来たのに、Fort Lauderdaleはあづい。むしあづい。 ぼくは学会ってあまり好きではないので普段は行かないのだけど、薬剤師の向井さんが発表するのでカバン持ち、、、じゃなくて、後方支援である。薬剤師さんやナースが国際学会でどんどん発表するのはとてもよいことだ。それをエンカレッジするのは教員の責務である。神戸大学の教員、職員がノリノリで研究し、病院をよくしていく雰囲気を作っていくのが僕らの責任。足を引っ張るのは言語道断だ(大学ってなんでこう他人の足を引っ張るのが大好きな人が多いんでしょうね。寂しいからでしょうね)。 さて、プレナリーを聞いていて、APICの面々が医療関連感染を減らすぞ、APICの存在価値をパブリックに示すぞ、結果を出すぞ、と崇高な宣言を多々聞

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    REV 2013/06/18
    日本で理想を言わせると「人間に、医療は必要なのだろうか」「江戸に帰れ」とかいう意見が出そう。あと、「最低でも県外」
  • 漢方とエビデンスの地平

    御礼。 書は大変面白く読ませていただいた。ただ、どうも日の漢方診療のトップランナーたちはEBMあるいはエビデンスについて、根的に誤解しているように思う。 要するに、EBMにおいてWhyとかHowとかはどうでもよいのだ。大事なのは、What, How much, How many, Which といった「ぶっちゃけ」な問題ばかりである。EBMは「なんでそうなるの?」というタイプの疑問には常に沈黙する。その答えるところは、(理由はよく分かんないけど)「どちらの治療がベターか」「何が最適な選択しか」といった、ぶっちゃけな回答ばかりである。 それは、実は漢方診療に親和性が高い。複数の生薬(そして背後にはさらにたくさんの化学物質)が絡む漢方診療において「なぜじゃ」「どうしてじゃ」といった間寛平的疑問に答えるのは困難である。でも、実はEBMもそうであり、EBMが「なぜじゃ」「どうしてじゃ」と

    漢方とエビデンスの地平
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    REV 2013/05/22
    //統計と機構の解明は、車軸の両輪、っていうか四輪車の前輪と後輪みたいなもので、前輪駆動もあれば後輪駆動もあれば四輪駆動もあって、四輪駆動も直結四駆からセンターデフ(終わらない
  • 「抗がん剤は効かない」か - 楽園はこちら側

    近藤誠氏の「抗がん剤は効かない」論は、雑誌掲載時から関心があったのですが、なかなか読めないままでいました。今回、文藝春秋社の単行を読みました。 書に対していわゆる「いってないこと」批判をするつもりはありません。「いってないこと」批判とは、情報量で優位に立つ(と信じている)サイドが「お前はこの点に言及していない」「お前はこの論文を無視している」と「いっていないこと」を取り上げて批判するというやり方です。このやり方のある程度の有効性は分かるのですが、あまり実りある議論になりませんし、がんの非専門家であるぼくがとるべき態度でもないですから(がん関係の論文は、圧倒的に近藤氏のほうが沢山読み込んでいますから)、書の内容「だけ」で議論したいと思います。 医学的な議論は「各論的に」行わなければなりません。だから、「抗がん剤が効かない」という命題も、各論的により明確な命題にしなければなりません。つま

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    REV 2013/04/30
    「無憎悪生存率(PFS)」誰かを憎まずにいられた率
  • 楽園はこちら側

    海外事情」に寄稿した文章です。許可を得てこちらに転載します(初稿)。書いたのは昨年12月なのでデータはやや古くなりましたが、「総括」なので、内容は特に問題ないと思います。御覧ください。 緒言 日の新型コロナ対策を「総括」、すなわち総合的なパースペクティブからまとめようとしたものが過去に2つ存在する。一つは、書籍になった「新型コロナ対応/民間臨時調査会 調査・検証報告書」[1]であり、もう一つは、政府が招聘した新型コロナウイルス感染対応に関する有識者会議が出した「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」[2]である。 しかし、前者はどちらかというと「証言集」に近く、やや厳しい言い方をすれば、「個人の感想」集であり、属人的なものだった。データ解析、ファクトの解析には乏しかった。後者については政府に依頼されて役人が突貫工事でまとめたも

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    REV 2012/05/07
    法令で義務付けるか、労組協約にすれば、医師の給与は下がっても、休息は取れる筈→「当院は、医療法人個人事業主ちゃんに業務を発注しました。24時間365日業務の実現方法は個人事業主ちゃんに任せてあります」
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    海外事情」に寄稿した文章です。許可を得てこちらに転載します(初稿)。書いたのは昨年12月なのでデータはやや古くなりましたが、「総括」なので、内容は特に問題ないと思います。御覧ください。 緒言 日の新型コロナ対策を「総括」、すなわち総合的なパースペクティブからまとめようとしたものが過去に2つ存在する。一つは、書籍になった「新型コロナ対応/民間臨時調査会 調査・検証報告書」[1]であり、もう一つは、政府が招聘した新型コロナウイルス感染対応に関する有識者会議が出した「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」[2]である。 しかし、前者はどちらかというと「証言集」に近く、やや厳しい言い方をすれば、「個人の感想」集であり、属人的なものだった。データ解析、ファクトの解析には乏しかった。後者については政府に依頼されて役人が突貫工事でまとめたも

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    REV 2012/04/30
    「「新型うつ」は、その名前がイメージさせるのとは異なり、「うつ病」とは真逆な現象だとぼくは思っている」 執筆者はよく理解しているようだが、「新型うつ」と書く、話す度に、その実在を補強してしまうという。