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個人ブログとこうの史代に関するTomosugiのブックマーク (1)

  • おどり読書 書評

    物語は、原爆投下後10年を経た広島から始まる。あの惨禍から力強く復興しつつある町並み、そこに暮らす人々。それまでと同じような日常を暮らす人々。だが、だからこそか、あのことについては誰も触れない。街のいたる処に、自分自身にあの時の傷跡が深く残っているというのに。 夕凪の街の主人公皆実は、半袖の服を着ようとしない。自分の腕に残ったあの時の傷跡を見てしまうからだ。 そんな皆実は、職場の同僚と心を通わすことになる。お互いの気持ちを確かめあった瞬間、あの時の風景が甦る。建物は中の人ごと潰れ、消えることのない火が街を包む。道も川も辺り一面死体であふれ、肉親でさえ見分けのつかなくなった様相の人々がさまよい歩く。自分に何が起こったのか、何を訴えればいいのか、何一つわからない人々のうめき声で埋まる、かつて街だった土地。 その中で、父を失った。妹を失った。友を失った。あらゆるものが奪われた日が、愛す者の後ろに

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