さまざまなツールに実装されつつある人工知能(AI)によって、映像の分野でも、作業が自動化され、制作方法やその表現に変化が現れてきた。AIを用いて彩色・高画質化された20世紀初頭の映像を取り上げた前回に続き、今回は動画において進められているAI技術の活用法を見ていきたい。 《z reactor》(2004年)より 映画のフレームレート えいが[映画]……高速度(一秒間に二四こま程度)で連続撮影したフィルムを、映写幕に同速度で連続投影して、被写体の形や動きを再現するもの。 『新明解国語辞典 第三版』(三省堂、1981年) 手元のやや古い国語辞典には、こう書かれている。現在、映画の代名詞であるこの「二四こま」というフレームレート(コマ速:一秒間につき何コマの写真が連続表示されるか)はゆらぎつつある。映画やアニメーションが、その物理メディアであったフィルムやビデオテープから開放されたからだ。未来を