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千葉雅也に関するTomosugiのブックマーク (14)

  • 千葉雅也『エレクトリック』|9で

    千葉雅也の小説作品はそのすべてが同一性と差異をめぐる書くことの試行におもえる。いや、それをいうならむしろ小説というものじたいがそもそも同一性と差異の奇怪なキメラだというべきなのかもしれない。ひとりの書き手により「ただ書かれ」、リニアにつむがれているはずの文章が、気づけばいつのまにか「べつのもの」をふくみこんでいる。小説を書き、あるいは読む体験の神髄とはこの差異を同一性のうちに、あるいは差異のうちに同一性を書き/読みこんでいくことなのではないか。そういえば町屋良平が千葉の第一作『デッドライン』に寄せた名文中の名文「ズラされつづける身体性 千葉雅也『デッドライン』論」(のち文庫版の解説として収録)でも、まさにこのことが取り沙汰されていたようにおもう。 映画と同様にライブシステムの欠如は宿命を帯びたかたちで小説に配置されている。[…]小説を書くということはどれだけ即興性や偶発性に身を委ねていても

    千葉雅也『エレクトリック』|9で
  • 芸術作品とは「解けない問題」である|千葉雅也

    (無料記事です。連続ツイートを元にして書きました。) 芸術作品とは何か。作品に向き合う方法とは。ここでは、作品を見たり読んだりして、まず「ふわっと」感じること、それが大事で、それをいくらか言葉で膨らませる、ということについて説明したいと思います。 それは、作品の「謎解き」ではありません。しばしば、謎解き的に作品を読みたがる傾向があり、それはそれなのだけれども、僕が思うに、芸術鑑賞の「体」はそうではない。むしろ、「ふわっと」が大事。これはまあ、ものの言い方で、実は、「ふわっと」感じたことには「深いもの」が秘められている、という話になります。 芸術を「深く」鑑賞するためにこそ、むしろ「ふわっと」から始めたほうがいい、というのが僕の考えなのです。 芸術作品に対して、「何が言いたい」のかわからない、というのをよく見かけます。どうも人は、作品に「メッセージ」のようなものを期待しているようです。そし

    芸術作品とは「解けない問題」である|千葉雅也
  • 千葉雅也氏「コロナ禍で非常事態に慣らされた。さらなる管理社会化への進展を警戒せよ」|注目の人 直撃インタビュー

    気鋭の哲学者で大学教授、小説家という3つの顔を持つ。窮屈な管理社会を生きる現代人に向けた究極の入門書「現代思想入門」(講談社現代新書)は10万部を超えるベストセラーとなった。時代を鋭く分析するこの人に、コロナ禍の社会、生き方、知的世界についてとことん語っていただいた。 ◇  ◇  ◇ ──新型コロナウイルス流行からの3年間をどう受け止めていらっしゃいますか。 今はウィズコロナとか言いますけど、ゼロにはできないわけで、感染の可能性がある中で生活と経済を回していかなくてはいけない。それは仕方がないとしても、ニューノーマルという言い方、新しい生活習慣、新しい標準であるかのような言い方がされ、カラ元気みたいな雰囲気があります。そうした状況に僕はずっと疑問を持っています。 ──どういったところにですか。 もちろん、今の状況で適切な対応はしなくてはならないですけど、コロナ前に比べて特別な状況になったと

    千葉雅也氏「コロナ禍で非常事態に慣らされた。さらなる管理社会化への進展を警戒せよ」|注目の人 直撃インタビュー
  • 千葉雅也さんの2021年1月22日付ツイートに関連する私見[2021.01.28]|江永泉

    はじめに共著『闇の自己啓発』にて千葉雅也さんに推薦の辞を頂き御礼をお送りしたものとして、また、自分でもレオ・ベルサーニなどを読んでいきつつ、千葉さんの言葉に励まされながらある種のクィア批評に触れてきたものとして、自身でも私見を記しておくべきだと思いました。ただし私は、クィア研究の教授資格に類するものを持たない点で「教授」ではなく「一般人」か、ないしは制度上「教授」でもないのに研究書や論文を読みかじりあれこれと己で考えて話をしようとする意味で、「半可通」であるので、千葉さんの言葉を専門家としてこう受け取ったといった話はできません。以下は私が千葉さんの幾つかのツイートをどう読み何を考えたか書いたものですが、せいぜいが「半可通」の私が専門家の言葉の是非に気軽に口を出せる風潮があるということに何か妙な感じもします。以前、カムアウトをなさっているレズビアンの研究者の発表記事やツイートに対し「一般人」

    千葉雅也さんの2021年1月22日付ツイートに関連する私見[2021.01.28]|江永泉
  • 意味がない無意味 書評|千葉 雅也(河出書房新社)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

    書は、現代日の思想シーンにおける最も重要な書き手の一人である哲学者・千葉雅也による、『動きすぎてはいけない――ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(河出書房新社、二〇一三年)に続く、哲学的かつ批評的な第二の主著である。哲学論文の他に、美術批評、ファッション批評、書評、その他分類しづらいエッセイなどが、適切な改稿を施されたうえで書には収められている。したがって私たちは書を通じて、千葉の「第一期の仕事」(と千葉自身が名づけるもの)をファイナライズされた状態で、パノラミックかつミクロスコピックに振り返ることができるようになったと言えるだろう。 この「第一期の仕事」の鍵概念は、『動きすぎてはいけない』での表現に従えば「非意味的切断」、そして「有限化」であった。書はこれらの概念を、新たに「意味がない無意味」というトートロジー的表現によって名づけなおそうとする。書序論「意味がない無意味――あ

    意味がない無意味 書評|千葉 雅也(河出書房新社)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
  • 「アウトラインプロセッシング入門」を読んでアウトライナー思考をはじめよう! - ツナワタリマイライフ

    はじめに きっかけは「勉強の哲学」の千葉先生のツイート。 @takwordpiece Tak.さん、お世話になっております。いつも参照させていただいて恐縮なのですが、新刊『勉強の哲学』でも、Tak.さんの『アウトライナー実践入門』を紹介させていただきました。最後の第四章です。お時間ありましたらぜひご覧ください。— 千葉雅也 『勉強の哲学』発売中 (@masayachiba) 2017年4月4日 何かを思考するとき、僕も他のひとと同じように書きながら思考する。書いてみて、想像を膨らませる。だからブログは友達だ。ただ書いてる途中で構成がわからなくなったり、何が言いたいかわからないまま書き始めて道を見失うこともあって、何か突破口がないかなと思っていたところなので即読んだ。 アウトライン・プロセッシング入門: アウトライナーで文章を書き、考える技術 作者: Tak.発売日: 2015/05/07メ

    「アウトラインプロセッシング入門」を読んでアウトライナー思考をはじめよう! - ツナワタリマイライフ
  • 千葉雅也さんの「書くのではなく、タスク処理をしていると書き上がる」というワークフローについて

    千葉雅也さんのツイート。 千葉さんは定期的にエディタソフトやアウトラインプロセッサについての考えが語られていて、それを網羅することはできなかったのですが、進行中の一齣ということで…。

    千葉雅也さんの「書くのではなく、タスク処理をしていると書き上がる」というワークフローについて
  • お昼休みはウキウキ通報、千葉っていいとも!

  • 【考える時間】人生は「それはお前の意志が弱いからだ」では解決できない問題で満ちている【再掲】|『中動態の世界』で考える|國分功一郎/千葉雅也 - 幻冬舎plus

    『中動態の世界』で考える 2020.04.02 更新 ツイート 第1回(全4回) 【考える時間】人生は「それはお前の意志が弱いからだ」では解決できない問題で満ちている【再掲】 國分功一郎/千葉雅也 外出自粛で増える自宅での時間。それは自分を見つめなおすのにもってこいです。思考に潜ることのおもしろさを教えてくれる記事をご紹介します。 *         *        * 『中動態の世界――意志と責任の考古学』(医学書院)と『勉強の哲学――来たるべきバカのために』(文藝春秋)。今年の2大話題作の著者、國分功一郎さんと千葉雅也さんの対談を4回にわたってお届けします。 対談が行われたのは、2017年3月31日、福岡・天神の書店Rethink Books(5月31日で閉店)。『中動態の世界』の第一弾刊行記念イベントでした。 トークは最初から縦横無尽に楽しく鋭く盛り上がり、まさに「無二の戦友」のお

    【考える時間】人生は「それはお前の意志が弱いからだ」では解決できない問題で満ちている【再掲】|『中動態の世界』で考える|國分功一郎/千葉雅也 - 幻冬舎plus
  • 「<勉強>で自分を変える」 東大卒の人気哲学者が教える<勉強>ができる�ようになる方法とは?

    誰しも一度は勉強ができる自分を想像したことがあるのではないだろうか。でも、現実は厳しい……とあきらめてはいけない。 <勉強>ができるようになるポイントを、気鋭の哲学者が教えてくれるがある。 その名も『勉強の哲学』(文藝春秋)。筆者は東京大学を卒業し、パリ第10大学に留学した経験もある千葉雅也・立命館大学大学院准教授である。 なんとも勉強ができそうな経歴をもつ、1978年生まれの若手哲学者だ。専門はフランス現代思想。 2013年に発表したデビュー作『動きすぎてはいけない』(河出書房新社)は論壇の話題をさらった。SNS全盛の時代に「もっと動けばよくなる」とか「つながること」よりも、<切断>の重要性を論じた鮮烈な一冊だった。 ところで、今回の問題は<勉強>であった。 <勉強>ができるとはどういうことなんだろう。千葉さんはこう話す。 「<勉強>ができる、とは新しい言葉を獲得することであり、それに

    「<勉強>で自分を変える」 東大卒の人気哲学者が教える<勉強>ができる�ようになる方法とは?
  • http://blog.chase-dream.com/2014/12/25/3670

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  • 千葉雅也のアンチ・エビデンス論について(最終版)|しんかい37(山川賢一)

    (この論考はいわゆる投げ銭システムになっていますので、無料で最後まで読むことができますし、それでかまいません。気前のいい方は100円払ってくださるとうれしいです) アンチ・エビデンス論 立命館大学准教授、千葉雅也は、最近「アンチ・エビデンス──90年代的ストリートの終焉と柑橘系の匂い」と題する論考を発表しました(以下、これを「アンチ・エビデンス論」と呼ぶことにします)。 http://10plus1.jp/monthly/2015/04/index03.php 千葉はドゥルーズ論「動きすぎてはいけない」などの単著を持つ、期待の若手哲学研究者。今回の論考も、発表直後はネットで賞賛の声に包まれました。ところが、その後数日して、批判の声も高まり始めます。とくに反感を呼んだのは、その文体でした。 分身から分身へと移ろう不安のマゾヒズムを再起動させること。すなわち、あらゆることがあらゆるところに確実

    千葉雅也のアンチ・エビデンス論について(最終版)|しんかい37(山川賢一)
  • 【論壇女子部が行く!(2)】 千葉雅也(上)――自分が楽しいということを譲らない - |論座アーカイブ

    若手社会学者・古市憲寿さんに続きご登場いただいたのは、ジル・ドゥルーズ哲学を大胆に定義した博士論文をまとめ、初となる単著の刊行が待たれる哲学者/批評家の千葉雅也さん。ヤンキーファッションに身を包み、美術家や詩人たちとのクロストークをつづけ、セクシュアリティからファッションまでジャンル横断的な批評活動で活躍の場を広げる異色の研究者。軽やかでいて大胆、俗っぽさをもかっこよさに変えてしまう文体とたたずまいから目が離せません。その知られざる素顔に迫りたい! 実存を根底から問い、哲学・批評の新時代の幕開けを思わせる千葉さんに、混迷の時代を切り開くための思想のありか、「哲学」の実践を訊きました。 ●僕らの日常には切断があふれている ――ちょうど博士論文の審査を終わられたということで、おめでとうございます。秋には出版されるそうで、みなさん注目していると思うんですけれど、まずは博論の内容について簡単に教え

    【論壇女子部が行く!(2)】 千葉雅也(上)――自分が楽しいということを譲らない - |論座アーカイブ
  • 効果的な勉強のために/千葉雅也

    熊野純彦編著『日哲学小史 近代100年の20篇』 立木康介編著『精神分析の名著 フロイトから土居健郎まで』 川喜田二郎『発想法 創造性開発のために』 今日ほど、自由に勉強をするための環境が整っている時代はない。 ネットの情報はノイズだらけであるとはいえ、J-STAGEなどに集積された査読論文を手軽に読むことだってできる。格的な資料がある。そして紙のに目を向ければ、2000年代から、良質な入門書やアンソロジーの出版が飛躍的に増えている。いまや、第一級の研究者が、フラットな言葉づかいで、分野の森に奥深く入っていくためのガイドを務めてくれるのである。 僕は大学の授業でもいつも、「新書や選書で出ている信頼できる著者の入門書を読め」と繰り返し言っている。たとえば、哲学をやりたいというときに、カントなりハイデガーなり、いきなり当の哲学書に向き合えというようなアドバイスをする人がいるが、それは一

    効果的な勉強のために/千葉雅也
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