クエンティン・タランティーノ監督最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の舞台となるのは1969年。この年の8月9日、本作にもバリバリ関係してくる大事件「シャロン・テート殺害事件」が起きた。そして、その事件の首謀者で、60年代以降の映画、音楽、小説……いまなお様々なポップ・カルチャーに影響を与え続けているチャールズ・マンソンについても多少知っておくと、映画の理解がより深まるはず。 というわけで、本稿では「シャロン・テート殺害事件」に至るまでを、少々駆け足気味に辿ってみる。あくまで『ワンス~』を観るうえで大事なポイントを要約したものとしてご理解いただきたい。あ、もちろん内容のネタバレにはならないのでご安心を。 自由の国アメリカが生んだラリった悪魔、チャールズ・マンソン まずは時代背景をおさらいするためにも、事件が起きる2年前まで遡らないといけない。 60年代後半のアメリカはまさ