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ブックマーク / dirk-diggler.hatenablog.com (24)

  • 大学教授の澱んだ一日「シングルマン」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    デビュー当時のレニー・クラヴィッツは、まるで何かに取り憑かれたように「70年代の音」の再現に固執していた。ヴィンテージの機材/楽器/スタジオを使用し、レコーディングの際には70年代っぽい音を奏でるミュージシャンを起用。「ただの懐古主義じゃないか」「ツェッペリンの焼き直しじゃないか」などという批判には耳を傾けず、ただただ「70年代ロック“そのもの”なってしまいたい」とばかりに邁進した。その結果、産み落とされたのが彼の2nd「ママ・セッド」であり、そして大ヒットアルバムとなった3rd「自由への疾走」であるように思う。 ファッションデザイナーのトム・フォードが初監督として選んだ手法も、恐らく上記のような異常なまでの偏愛がベースになっているのだろうと強く感じた。彼は、60年代のデザインの先鋭の再現に徹底的に固執し、「60年代の映画の世界“そのもの”になってしまいたい」とばかりに、この「シングルマン

    大学教授の澱んだ一日「シングルマン」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2010/12/08
    シングルマンの感想。今年はトム・フォードが最初の映画を撮った年として記憶されそう。それぐらい良い映画。是非続けてほしい!
  • ハイスクール!鬼面組「ジェニファーズ・ボディ」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    デビルズ・ケトルという片田舎の町の高校に通う、幼なじみのジェニファー(ミーガン・フォックス)とニーディ(アマンダ・セイフライド)。抜群の容姿で学校中の注目の的である小悪魔タイプのジェニファーとは対照的に、堅実で地味なルックスのニーディ。ある晩二人は、地元のクラブで行われたインディ・バンドのライヴで火事に巻き込まれる。なんとか現場から抜け出す二人だったが、ジェニファーはバンドのメンバーと共にバンでどこかへ消えてしまう。数人の生徒が犠牲者になった火災事故だったが、翌朝、何事もなかったかのようにジェニファーはニーディのもとに現れる。だが、彼女は明らかにそれまでの彼女とは何かが違っていた……というお話。 あらすじ自体は、当に「THE 鋳型」とでもいうべき他愛のないもの。なのですが、監督のカリン・クサマ、脚のディアブロ・コディは、そうした一般化した鋳型の中に、革新的なメッセージを刷り込ませること

    ハイスクール!鬼面組「ジェニファーズ・ボディ」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2010/08/02
    ジェニファーズ・ボディの感想。アメフト部のデブが森のお友達に囲まれる辺りはどこに喧嘩を売っているのか聞いてみたい(最後は子鹿にペロペロされちゃうし!)。あとDJ役にカット・ケミスト先生とかまんま杉。
  • Can I Kick It ? (Yes, You Can !) 「インセプション」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    ハッタリの利かせ方が中々痛快な作品でした。「人の頭の中/夢の中に忍び込んで、アイデアを盗み出す/植え付ける」というのがこの映画の主題となっていて、それだけ聞くと「なんだそれ??」と思うでしょうが、その世界の説明を冒頭のエピソードで見事にやってのけ、観客のハートをガッツリと鷲掴みにします。 レオナルド・ディカプリオ演じるコブという男が率いるチーム、このチームで集団催眠のような状態に陥って、寝ている人物(ターゲット)の夢の中に浸入するという、こうして説明を書いている今もその訳のわからなさに「大丈夫?」と自分自身に問いかけたいような気分になってきますが、さらにこの設定が「夢のまた夢のまた夢」というレイヤー構造を成しているという手の込みようで(この夢のレイヤー構造というのが、リンク先をどんどん進んで行って、タブがどんどん増えていく感覚にちょっと似ているんですよね。つまり、新たなタブが開かれた時、今

    Can I Kick It ? (Yes, You Can !) 「インセプション」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2010/07/25
    インセプションの感想。確かに原理を何も説明していないのにルールがわかるというあたりにノーランの現在のスゴさが出てたと思います。個人的にはJGLも良かったけどキリアン・マーフィがまともな役だったのに感動。
  • 移民の歌「闇の列車、光の旅」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    少女は新たな家族との生活を始めようとホンジュラスからアメリカへ北上するために。少年はギャングの一員として無賃乗車で北上しようとする人々から金品を強奪するために。貨物列車の屋根の上で、二人は出会ってしまう。そんな「あらかじめ失われた」ボーイ・ミーツ・ガールの物語。 凡庸と言っても差し支えないほど既視感に溢れた話ながら、時折「映画的」としか例えようがない瞬間が何度か切り取られる作品。飽きもせず年に何映画を観ていても、こういう作品にはそうは簡単にお目にかかれない、シンプルながら稀有な力強さを持った作品でした。まさに圧倒的。少しでも興味をもたれた方は、私に騙されたと思って、まずは劇場に足を運んで頂きたいです。 メキシコ人が自分たちより更に南に住む中南米人を差別する構造や、メキシカンギャングのホモソーシャリズムと少年の少女に対する優しさとを対比させたり、画面に映っている物、展開していく事象、すべ

    移民の歌「闇の列車、光の旅」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2010/07/04
    「闇の列車、光の旅」の感想。アメリカに入った瞬間に空気が変わる→北米=異世界を見事に写し取ったラスト。電話番号の使い方も上手い。
  • アイズ・オブ・傍観者「告白」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    シングルマザーの教師:森口(松たか子)が、たまたま学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した。幾つかの状況証拠から、事件は事故ではなく、自分のクラスの生徒による犯行だと踏んで、森口は生徒を追い詰めていくのだが……というお話。中島哲也の新作。 中島作品の共通点として、傍観者やアウトロー、いわゆる社会/システムに適応できない人や、適応しているフリをしている人々に主眼を据えている、という点が挙げられます。作「告白」では、主要なキャラクターはほぼ全員“適応しているフリをしている”人々であり、彼らは皆、教師である以前に母親であり、殺人者である前に生徒であり、生徒である前に子供であり、親である前に脆弱な一人の男であり女であるのです。 「告白」では、上記の“フリをした人々”に、それぞれパートを与えて「告白:○○○○」と冠し、自身の内情を語らせます。物語は、教師、犯人A、犯人B、犯人Aと交流を深

    アイズ・オブ・傍観者「告白」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2010/06/10
    告白の感想。モロPVな画だからアノ空疎な世界を描けたかと。でも全然イヤじゃないし寧ろ映画的ですらある。おかげで松たか子のスペックの高さが証明されたり、下妻の土屋アンナ的な意味の橋本愛とか収穫ありです。
  • 子ども:フルスロットル「マイマイ新子と千年の魔法」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    最近、訳あって、母子家庭について調べたり考えたりすることがありました。 自分を育ててくれた両親というのは、離婚などとは縁遠く、60を過ぎて二人きりで韓国旅行に行ったりするぐらいにはイチャイチャしていて、そもそも子どもをこんな風に育てようとするちょっとアレな両親なので、そういう家庭的な不協和音などは体験したことがありません。 死別ではなく、お互いピンピンしているのに、父親ないし母親が家を出ていってしまう状況というものは、どういうものなのか?コレっぽっちも受け入れたくない状況が、受け入れざるを得ない状況として自分の身に降りかかってきたら、その子どもは一体、どういう行動に出るのか? 「マイマイ新子と千年の魔法」を見たとき、正直に言えば、前半部分で「どうして皆があれほど大絶賛するのか?」がいまいちピンときませんでした。 確かに良い話であるとは思いました。同じ時代を生きてはいないのに共感できる、普

    子ども:フルスロットル「マイマイ新子と千年の魔法」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2010/04/02
    「マイマイ新子と千年の魔法」の感想。遅まきながら読みましたよ。同感ですよ。あんまり解決になってないのに(実は現状維持ですら無い)何かを乗り越えているように観えるという物語の流れが好きです。
  • セックスと嘘と鍼灸針「母なる証明」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    「母なる証明」を観ました(@チネチッタ)。 もう何年も殺人事件が起きていないような韓国の片田舎の町。一人の少女が殺される。容疑者として逮捕されたのは、彼女をその晩に見かけたという、一人の青年だった。青年の無実を信じて疑わない彼の母は、真犯人探しに奔走するが・・・というお話。 長編デビュー作『ほえる犬は噛まない』に始まり『殺人の追憶』『グエムル−漢江の怪物−』そして短編オムニバス「TOKYO!」にも参加するなど、精力的かつハイクオリティーな作品を発し続ける韓国の新鋭が選んだ今回の題材は、出世作となった「殺人の追憶」のいわば変奏とでもいうべきテイストの作品。しかしながら、クライマックスにかけて、彼が当に描きたかったそのテーマが浮き彫りになり、エンディングに至っては「またもや前人未到の地へ降り立った・・・!」とでも評したくなるような当に物凄い終わり方をしていて、やっぱりポン・ジュノ侮れない!

    セックスと嘘と鍼灸針「母なる証明」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2009/11/08
    母なる証明の感想。まさに暗黒映画。ウォンビン演じる青年が果たした復讐とは如何に。(ネタばれになるのでこれ以上は止めときます。)
  • サラとカイルのいた部屋 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    1984年。一の低予算SF映画が話題を呼ぶ。「ターミネーター」の第一作目である。 スカイネットというコンピューターネットワークに支配された暗黒の未来。人類は機械を相手に暗澹たる闘いを繰り広げていた。ある男が現れるまで。その男の名はジョン・コナー。機械軍:スカイネットに立ち向かい、人々に希望を与え、レジスタンスの指導者となった男。機械軍はそんな希望をも根絶やしにしてやろうと、ジョン・コナーの母親が、彼を出産する前に抹殺すべく、人型の殺戮マシンを過去の1984年に送り込む。そしてレジスタンス側もその計画を嗅ぎ付け、ジョン・コナーの母:サラ・コナー抹殺を阻止すべく、カイル・リースという一人の若き兵士を84年に送り込むのだが…。 もう今や、これ以上の説明は無用であろう、という程に浸透したこのシリーズ。一応、上記あらすじの先を説明すると、殺戮マシン:ターミネーターから逃れるために行動を共にするサラ

    サラとカイルのいた部屋 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2009/06/29
    「T4」の感想?。っていうか「3」以上に語るべき事柄が何も無いのが問題だ。そして今年は「アバター」公開の年。
  • 父性の不在と、父性の代替の存在 「ベンジャミン・バトン」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」を観ました(@TOHOシネマズ横浜)。 ※内容に触れていますので未見の方はご注意下さい。 デヴィッド・フィンチャーの出世作「セヴン」。得体の知れないシリアルキラーと対峙する事になった新米刑事と初老の刑事。彼らは事件を通して師弟関係を築き上げるが、事件の幕引きに際し、弟子は犯人に対し刑事としてあるまじき行為を犯す。それにより師である男は、まるで息子に注ぐような無償の愛情を持って、彼の今後の人生を引き受ける決意をして映画は幕引きとなる。 チャック・パラニューク原作の「ファイトクラブ」では、冗談交じりのこんなやりとりが確認できる。「大学も出たし会社にも入った。父さん、次は何をすればイイ?」「そうだな、そろそろお前も家庭を持つべきだな」 「パニック・ルーム」では言わずもがな、シェルター装備の高級アパートメントで強盗と対峙するのは、両親ではなく片親、しかも父親では

    父性の不在と、父性の代替の存在 「ベンジャミン・バトン」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2009/03/16
    ベンジャミン・バトンの感想。この映画を褒めるば、まさにこういうことだと思う。作家デヴィッド・フィンチャーとは何かという意味で納得。ただ僕の中では彼はいつまでもただの職人監督。
  • せつ子!それベルボーイやない!ヘルボーイや!!!「ヘルボーイ:ゴールデンアーミー」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    「ヘルボーイ/ゴールデンアーミー」を観ました(@TOHOシネマズ川崎)。 右から、怒ると体内発火する人、赤くて怪力の人、魚の人、初登場の頼れる上司エクトさん。 頼れる上司、エクトさんの経歴:「幽体離脱中に肉体から切り離されてしまった霊媒」 こんな馬鹿馬鹿しい設定を思いついて、思いついただけではなくそれをちゃんと映像化して、見せ場まで作って大活躍させるというサービス精神に脱帽。 ヘルボーイを演じるロン・パールマンは50年生まれだから今年なんと59歳!誰かヘルボーイ仕様の赤いちゃんちゃんこ贈ってあげて! 今回の敵、ヌアラ王子を演じるのは80年代後半に一時的にバカ売れしたアイドルグループ:ブロスのルーク・ゴス。殺陣とかバッチリ決まってカッコ良かったですね。 今回の見所の一つ、トロール市場。出てくる化け物のデザインがイチイチとち狂っていて素晴らしいのですが、クリーチャーのほとんどが「ベースは着ぐる

    せつ子!それベルボーイやない!ヘルボーイや!!!「ヘルボーイ:ゴールデンアーミー」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2009/02/03
    ヘルボーイ/ゴールデンアーミーの感想。「イールズ」は聞いた瞬間「ウホッ」となりました。今回のギレルモさんの選曲はわかりやすくて大変よろしいかと。
  • 2008年の音楽を振り返る〜その1〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    普段からどちらかというと洋楽を聴く機会の方が多いのですが、今年は邦楽も(自分なりにですが)よく聴いたというか、そこそこ収穫があった気がしたので、今回「その1」では邦楽、それもロックなどを中心に振り返って紹介してみようと思います。 ZAZEN BOYS4 アーティスト: ZAZEN BOYS出版社/メーカー: インディーズ・メーカー発売日: 2008/09/17メディア: CD購入: 11人 クリック: 141回この商品を含むブログ (230件) を見るZAZEN BOYSというバンドはアヒトイナザワというドラマーを失った時点で「フロントマン:向井秀徳が、今、興味がある音」を出すバンドになったんだな、と思います。町田のヤンキー脱退の経緯(「ZAZENに差し障るから二束のワラジとか止めてくんない?」)などを聞いてもワンマンバンドだとは思わないし、それはバンドの船頭であるリーダーにとってはごく正

    2008年の音楽を振り返る〜その1〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2008/12/26
    おおっ、ZAZENの4枚目が入っている。
  • 最終兵器社長 - S-killz to pay the ¥.

    「アイアンマン」を観ました(@チネチッタ)。 まさか「スウィンガーズ」の主演の冴えないオッサンがこんな大作を撮るまでになろうとは・・・。「イントゥ・ザ・ワイルド」のヴィンス・ヴォーンもすっかり中堅どころって感じだったしなぁ。 「それでは彼のこれまで軌跡を振り返ってみましょう」と、社長の歩みをフェイク映像で紹介しているのが凄く面白かったんですけど、こういうのって誰が初めにやりだしたんだろ?画期的に使っていて印象に残ってるのは「ズーランダー」とかなんだけど(「俺たちフィギュアスケーター」も良かったけど)。 声を発するまでジェフ・ブリッジスって気付かなかった。ピアノを弾くシーンはアレか、ファビュラス・ベイカー・ボーイズへのオマージュか。 社長が囚われの身となって、一緒に鉄男プロトタイプを作る時の助手をしてくれるジョン・トーブ氏(「クラッシュ」「君のためなら千回でも」)が凄く良かった。 つーかこれ

    最終兵器社長 - S-killz to pay the ¥.
    aomeyuki
    aomeyuki 2008/10/05
    アイアンマンの感想。だんだん存在感が増すスタン・リーのカメオ出演。
  • メタリカのグレイトフル・デッド化「デス・マグネティック」 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    Death Magnetic (Dig) アーティスト: Metallica出版社/メーカー: Warner Bros / Wea発売日: 2008/09/12メディア: CD購入: 1人 クリック: 25回この商品を含むブログ (38件) を見る その昔、まだ自分が高校生とかでBURRN!を定期購読していた頃のこと。確か「ブラックアルバム」をリリースした後のワールドツアーで来日した時のインタビューだったように思います。その頃といえば私はどっぷりとメタル漬けの日々で、メタリカに関する記事などはむさぼるように読んでいたのですが、インタビューの中で(ラーズかジェイムズかは忘れましたが)こんなことを言っていました。 「メタリカは将来、グレイトフル・デッドのようになるんだよ。アルバムをリリースしなくても長いツアーに出て、そうするとデッドヘッズならぬメタリカヘッズたちが追いかけてきてくれるんだ。なん

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    aomeyuki
    aomeyuki 2008/09/20
    ラーズなら考えた上での行動でしょう。前に観たドキュメンタリーでは計算高い行動を取るラーズが出てきた瞬間に、画面にジュースを投げつけた外人さんがいたのが印象的でした。
  • 放浪記(でんぐり返りはナシ) 〜イントゥ・ザ・ワイルド〜 - S-killz to pay the ¥.

    「イントゥ・ザ・ワイルド」を観ました(@109シネマズ)。 1992年、アラスカの大地にうち捨てられた廃バスの中で、一人の若者の遺体が発見される。彼の名はクリス・マッカンドレス。DC郊外の高級住宅街で育ち、父はNASAのエンジニアという裕福な家庭に育った彼が、何故文明を拒絶し、北の荒野で死に絶えたのか?事件当時、全米でもセンセーショナルに報じられた事件をジョン・クラカワーが小説にし、それを10年がかりでショーン・ペンが映画化したという意欲作。個人的には今年のベストに大きくい込んでくるであろう大傑作でした。 まず、鑑賞前の懸念点として、「自分探しが止まらない」のような(注:誤解されやすいのですが、著者速水は、そうした若者を否定も肯定もしていない)を読んでしまった33歳の自分が今、はたして「IDやクレジットカードや紙幣を燃やし、自らを“アレグザンダー・スーパートランプ(超放浪者!)”と名乗

    放浪記(でんぐり返りはナシ) 〜イントゥ・ザ・ワイルド〜 - S-killz to pay the ¥.
    aomeyuki
    aomeyuki 2008/09/20
    イントゥ・ザ・ワイルドの感想。これはショーン・ペンがなりたかった青年の物語。
  • 宮崎駿とコミューン幻想 〜崖の上のポニョ〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    「崖の上のポニョ」を観ました(109シネマズMM)。 宮崎駿曰く「アンデルセンの「人魚姫」を今日の日に舞台を移し、キリスト教色を払拭して、幼い子供達の愛と冒険を描く」。そんな映画であるような気もしますが、同時に大きくタガが外れた老人の狂気が濃縮された一であるようにも思えます(詳しくは皆様も劇場で確認してみたら良いと思います)。 宮崎駿という人は、一貫して「クローズドなコミュニティ」を描いてきた人であると思います。「風の谷」に暮らすナウシカ、「炭鉱町」で暮らすパズー(その後は海賊船)、エボシが長を務める「たたら場」、そして千尋が奇しくも労働する事となる「湯屋」。クラリスが幽閉されている「カリオストロ公国」も、単位で言えばコミューンと言って差し障りは無いでしょう。 今回の「崖の上のポニョ」でも、小さな漁師町が舞台となっていて、やはりそこだけで完結した世界として描かれています(大型スーパー的

    宮崎駿とコミューン幻想 〜崖の上のポニョ〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2008/08/04
    崖の上のポニョの感想。破壊屋さんともども素晴らしい。
  • ツワリ・ティーンエイジ・ライオット 〜ジュノ〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    「JUNO/ジュノ」を観ました(@109シネマズMM)。 16歳の女の子:ジュノは、同級生のポーリーと出来心でワンナイトアフェアを楽しんだら見事命中!さて困った!産むの?堕ろすの?どうすんの?!というお話。 「ナポレオン・ダイナマイト」的な、妊娠に端を発したティーン目線の青春ドラマ/コメディ、というような感想をいくつか見かけましたが、実際には「ナポレオン〜」との共通点といえば「郊外が舞台」「オフビートなテイスト」という二点ぐらいで、まさか「ジュノ」が世代論的なものまで問い掛けてくるとは思ってもみませんでした。 先にも記したように、「妊娠」はあくまでもシチュエーションとして、それ以上でも以下でもなく、「妊娠が発覚してから」のドタバタは潔くすっ飛ばし、ジュノの家族、養子縁組に決まったカップル、お腹の子の父親であるポーリー、親友の女の子、などなど、新たな状況下でいかに人間関係の構築を計るか、とい

    ツワリ・ティーンエイジ・ライオット 〜ジュノ〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2008/07/01
    ジュノの感想。「カット・ケミスト先生」はやっぱりギャグだったんですね。それにしても、ソニック・ユースを見事にダシに使っていたと思います。
  • 映画に“イチャイチャ”を取り戻せ! - S-killz to pay the ¥.

    映画に“イチャイチャ”が無くなって久しい。 大体、昨年の「ベスト・イチャイチャ」が「俺たちフィギュアスケーター(→感想)」とはどういうことだろう。敵対しあったかつてのライバル同士は、フィギュアの競技を通じて結束を深め、失いかけた信頼を取り戻し、彼らは最後、空に飛んでいって星になってしまう。これを越えるイチャイチャが、近年の映画界から失われている状況を、私はただただ嘆き悲しむばかりである(しかも「俺フィギュ」に至ってはもうへテロですらない!)。 80年代。スクリーンを覗き込めば、大概は皆、イチャイチャしていた気がする。マイケル・J・フォックスはタイムトラベルで過去の自分の母親とイチャイチャし(され)、トム・クルーズは美人教官とイチャイチャし、今となっては信じられないかも知れないが、エディ・マーフィーが幾多の作品で無名女優(その作品がデビューにしてピーク)とイチャイチャしていた。 ところが最近

    映画に“イチャイチャ”を取り戻せ! - S-killz to pay the ¥.
    aomeyuki
    aomeyuki 2008/06/02
    「ミスト」では、ミス・カーモディが自らの得意技として、大人にも子供にも“イチャイチャ”してましたね。
  • 俺たちジャーナリスト 〜ハンティング・パーティ〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    「ハンティング・パーティ」を観ました(@109MM)。 ボスニア紛争の生中継で失態を演じ局をクビになって以来、消息を絶っていたかつての一流戦場レポーター:サイモン・ハント(リチャード・ギア)。サイモンのパートナーであった戦場カメラマン:ダック(テレンス・ハワード)は、仕事で訪れたボスニアで、偶然にもサイモンとの再会を果たす。サイモンはダックに、「大虐殺の首謀者で、500万ドルの賞金首である重要戦犯フォックスの居場所を突き止めた」と打ち明けるのだが・・・というお話。 冒頭、ストップモーションにナレーションが被さる、というスコセッシ風のアヴァンタイトルがサクサク進んでいくと「全然話題になってないけど、ひょっとしたら大傑作なのではないだろうか?」という思いが頭を巡るが、「どん底からの復帰をかけた、私情も絡んだ復讐戦」という命題が明らかになってからも、テンポの悪さが災いしてイマイチお話に乗りきれな

    俺たちジャーナリスト 〜ハンティング・パーティ〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2008/05/26
    ハンティング・パーティの感想。どう感想書こうか考え中。参考になります。
  • 希望は、戦争。 〜大いなる陰謀〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    「大いなる陰謀」を観ました(109シネマズMM)。 この映画にピッタリなキーワードを外すなんてどうかしていると思いました。今の時期に公開をぶつけてくるなら、邦題は間違いなく原題「LIONS FOR LAMBS」はそのまま(「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」がありならもう何でもありだと思う)で、「ライオンズ・フォー・ラムズ 〜格差社会に潜む大いなる陰謀!」とかにするべきだと思う。 結局のところ、トム・クルーズ演じる共和党議員に、9.11以降のアメリカの姿が全て投影されている気がしました。 「9月12日の朝を憶えているか?私達の生活圏内の全ての公共施設がターゲットに思えた朝を・・・」などと言われてしまうと、もう何も言えなくなってしまう感じ(実際、対するプレスのメリル・ストリープはそういう反応を返す)。 多分、この内情を分析するなら、2割ぐらいは当にそう思いながらも残りの8割では「これで民意をコ

    希望は、戦争。 〜大いなる陰謀〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2008/05/10
    大いなる陰謀の感想。つまらないとか期待はずれっていう声が多いのが不思議。
  • THE ART OF SHREDDING 〜非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥

    「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」を観ました(@チネチッタ)。 昨年のダーガー展の際に購入した、ダーガー特集の美術手帳をすでに読んでいたので、それを踏まえると正直少し物足りないかな、という感じがしたのですが、逆に言えば、ヘンリー・ダーガーというアーティストの人となりを知ってもらう窓口としては程良いドキュメントなのかな、という感じもします。 昨年のダーガー展を見に行って、私は以下のような疑問を抱きましたが、 ヘンリー・ダーガーの作品が、多くの人々に知れ渡る事。それは果たして人が望んだ事だったのか?それとも、当に閉じた世界で、ウィリアム・シュローダー(ダーガーが心を開いていた唯一の友人)のように理解を示す、ごく少数の限られた人々に愛でられる事を望んだのか?その答えは永遠に出ないままですが、現在でもドキュメンタリーや映画という形で、彼の数奇な人生を紐解く作業が続いているようです。 そ

    THE ART OF SHREDDING 〜非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎〜 - スキルズ・トゥ・ペイ・ザ・¥
    aomeyuki
    aomeyuki 2008/04/07
    非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎の感想。絵自体を見る機会が今のところないので。以前のエントリー以来興味がありました。