ドイツのインフレ率が2カ月連続で上昇した。来週の会合での利下げを準備している欧州中央銀行(ECB)にとって、目標の2%を達成するための課題の大きさを浮き彫りにした。 独連邦統計局が29日発表した5月の消費者物価指数(CPI、EU基準)上昇率の速報値は前年同月比2.8%だった。4月の2.4%から加速し、ブルームバーグが調査したエコノミスト予想中央値の2.7%を上回った。 このインフレ加速は、前年同月に公共交通の格安チケットが導入され、物価を押し下げたことによるベース効果が大きく寄与した。 インフレ統計の発表を受けて、ドイツ国債は下落。10年債利回りは一時6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して2.65%と、昨年11月以来の高水準を付けた。金利変更への感応度がより高い2年債利回りは3.09%と、6カ月ぶり高値に接近した。 シティグループのストラテジスト、ジェイミー・サール氏はイン