VW社のEVシフト 9月14日、フォルクスワーゲン社のツヴィッカウ工場で、従業員総会が開かれ、1万700人の従業員のうち、269人の雇用契約が更新されないことが発表された。つまり、269人が、早ければ11月から失業する。 本人と家族にとっては悲劇だ。しかも、それ以外にも、1年の雇用契約で働いている従業員がまだ2000人近くいるらしいから、その人たちの運命も安泰とは言えない。この不景気の下、今後、解雇が時間差で告知される可能性がある。 ツヴィッカウは旧東独のザクセン州の町だ。1990年の東西ドイツの統一直後、フォルクスワーゲン社は同地に進出し、以後、ほぼ30年間、主にゴルフを営々と製造してきた。 同社はその他、やはりザクセン州の州都のドレスデンとケムニッツ(旧名・カール・マルクス市で旧東独の工業の中心だった)にも工場を持つ。発展がスムーズにいかなかった旧東独地域において、それらが景気高揚の活