【ワシントン=八十島綾平】米政府は15日、韓国サムスン電子がテキサス州に建設する半導体の新工場と研究開発拠点に、最大64億ドル(9800億円)を補助すると発表した。研究開発から完成工程までを米国内に誘致し、半導体供給網のアジア偏重を避ける狙いがある。補助金はCHIPS・科学法に基づくもの。レモンド米商務長官は「供給網がアジアに集中していることが米国の安全保障を脆弱にしてきた」と強調し、誘致が「
【ワシントン=八十島綾平】米政府は15日、韓国サムスン電子がテキサス州に建設する半導体の新工場と研究開発拠点に、最大64億ドル(9800億円)を補助すると発表した。研究開発から完成工程までを米国内に誘致し、半導体供給網のアジア偏重を避ける狙いがある。補助金はCHIPS・科学法に基づくもの。レモンド米商務長官は「供給網がアジアに集中していることが米国の安全保障を脆弱にしてきた」と強調し、誘致が「
中国の中芯国際集成電路製造(SMIC)はオランダ半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングの装置を使って、華為技術(ファーウェイ)のスマートフォン向けに先端プロセッサーを製造したことが、事情に詳しい複数の関係者によって明らかになった。 問題となっているプロセッサーの製造には、欧州最大の企業価値を有するハイテク企業、ASMLによる深紫外線(DUV)露光装置のほかにも複数企業のツールが用いられたという。関係者らは非公開の情報であることを理由に匿名で話した。中国による半導体生産技術の進歩を食い止めるうえで、ASMLに対する輸出規制は遅過ぎた可能性が示唆された。 ASMLはコメントを控えた。同社の販売が輸出規制に違反したという指摘はない。 米国は日本、オランダと連携し、ファーウェイのスマートフォン「Mate 60 Pro」に搭載された回路線幅7ナノメートルの半導体で実証された高度な半導体技術を
中国が、外為法の「穴」を突いて買収や出資で日本企業から技術を入手しようとしている。楽天グループへの騰訊控股(テンセント)による出資でも外為法は問題となったが、いまだ穴は塞がっていない。これで日本の技術を守れるのか? 細川昌彦・明星大学教授に3回に分けて話を聞くシリーズの最終回。(JBpress) 第1回:中国が技術を入手する巧妙手口、『分断』と『偽情報』で日本企業を揺さぶる 第2回:中国が狙うのは先端半導体だけじゃない!パワー半導体など汎用品にも照準 ──前回までは、半導体の素材や製造装置メーカーが中国に狙われているという話を聞きました。日本企業同士が情報交換をあまりしない「分断」状況にある隙をつかれ、「偽情報」を流されるなどして「中国に工場をつくれ」と揺さぶられている実態は危機的な状況だと思います。 一方、中国国内に工場を誘致するのではなく、もっと荒っぽく技術を獲得する手段もあります。そ
Part of disassembled Huawei Mate 60 Pro smartphone photographed in Ottawa, Ontario, Canada, on Sunday, Sept. 3, 2023. Huawei Technologies Co.'s latest smartphone clearly demonstrates wireless speeds akin to Apple Inc.'s latest iPhones in numerous tests, as more details emerge about a gadget labeled a Chinese breakthrough despite US tech sanctions. Photographer: James Park/Bloomberg 中国の通信機器大手、華為技術(
米国と同盟国は中国半導体開発をどう抑制するのか-QuickTake 古川有希、Debby Wu、Ian King 米国とその同盟国は、中国が主要技術、特に先端半導体と製造装置を輸入する能力をさらに制限している。最新の動きでは、日本が23日から23品目の半導体製造装置を輸出管理の対象に追加した。 日本企業はオランダのASMLホールディングや台湾積体電路製造(TSMC)ほど目立っていないが、半導体製造工程のいくつかでシェアを独占している。日本の今回の措置は米国主導の中国封鎖を強化し、自国でテクノロジー産業を構築しようとする中国の取り組みを妨げることになる。 1.なぜ米国は中国による半導体技術へのアクセスを阻止しているのか? 米バイデン政権は昨年、経済または軍事紛争のリスクが高まる米中関係の今後を見据え、半導体戦略を発表した。ジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、米国が可能な限り
米国と中国は、人工知能(AI)などに使われる先端半導体を巡って火花を散らす。だが、中国が狙うのは先端分野だけではない。むしろ半導体市場の大部分を占める汎用品を標的にし、国産化と安値攻勢でライバル国の半導体産業を死に追いやろうとしていることは、あまり知られていない。細川昌彦・明星大学教授に3回に分けて話を聞くシリーズの第2回。(JBpress) 第1回:中国が技術を入手する巧妙手口、「分断」と「偽情報」で日本企業を揺さぶる ──米中の半導体戦争では、人工知能(AI)などに使われる最先端の半導体がターゲットになっていると言われています。 細川昌彦・明星大学教授(以下、敬称略):先端半導体ばかりに注目が集まっていますが、汎用品の半導体はどうでもいいかと言ったら、決してそうではありません。半導体の8割を占めるボリュームゾーンは汎用品です。特に、パワー半導体は、電気自動車(EV)にも省エネ家電にも、
産業技術総合研究所(産総研)研究員の逮捕で警戒感が高まる中国への技術情報流出。この事件は氷山の一角だ。中国は「分断」と「偽情報」という巧妙な手口を使って工場を誘致し、日本企業から先端技術を入手しようとしている。標的は半導体の素材や製造装置などだ。日本は守りをどう固めるべきか。細川昌彦・明星大学教授に3回に分けて話を聞く。(JBpress) ──産業技術総合研究所(産総研)の研究員が中国にデータを漏洩したとして逮捕されたことは、中国への技術流出のリスクを改めて企業や大学に認識させました。中国は日本の技術を狙っているとされていますが、どのように守ったらよいでしょうか。 細川昌彦・明星大学教授(以下、敬称略):中国の習近平政権は2015年に「中国製造2025」という計画を公表しました。重要産業の自給率を高め最終的には国産化していくという目標です。重点分野の1つが半導体で、自給率を70%に引き上げ
半導体受託製造の世界最大手、TSMC(台湾積体電路製造)本社で記念撮影に応じる、熊本市の大西一史市長(前列右から2人目)、熊本県の蒲島郁夫知事(同3人目)、廖永豪TSMC副社長兼JASМ会長(同4人目)ら=2023年1月12日、台湾・新竹[熊本県提供] こうした有力半導体メーカーが、わが国にやってくる背景にはいくつかの要因がある。まず、台湾問題の地政学リスクは重要だろう。戦略物資として重要性が高まる、半導体の安定供給体制を確立するため、台湾や韓国からわが国に生産拠点を急速にシフトしている。 また、わが国の超高純度の半導体部材や精密な半導体製造、検査装置メーカーの国際競争力も高い。有力メーカーにとって、原材料や部材を入手しやすい環境は有利だ。さらに、メーカーにとって、トヨタ自動車などの重要顧客が近くに位置することも見逃せない。 今後、わが国企業はこのチャンスを生かして、人材の育成、研究開発体
Micron Technology headquarters in Biose, Idaho, U.S. Photographer: Jeremy Erickson/Bloomberg 米メモリーチップ大手のマイクロン・テクノロジーは、日本政府から2000億円の支援を受け、同社広島工場で次世代DRAMの生産を目指す。事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。米中の摩擦が強まる中、半導体サプライチェーン強靭化に向けた投資を加速させている岸田文雄政権に追い風となりそうだ。 今回の投資でマイクロンは広島工場にオランダのASMLホールディングの極端紫外線(EUV)露光装置や東京エレクトロンの関連装置を導入し、DRAM量産体制を構築する。日本政府の支援額については、広島での主要7カ国首脳会議(G7サミット)に先立ちバイデン米大統領が岸田首相と18日に会談するのに合わせて公表される見通しだと関係者
ロシアのウクライナ侵攻を支援するため米国のテクノロジーを使用したとされる秘密のサプライチェーンの中心人物として、米検察当局が訴追したのがアルチョム・ウス被告だ。高級不動産や高級車を保有、イタリアでホテルのオーナーになっているとしてロシアのメデイアに長く登場していた人物だ。 シベリア中部クラスノヤルスク地方の知事を父に持つウス被告(40)ら7人は昨年10月、米国と米企業を欺いたほか、第三国の仲介者を通じて米国の機密技術をロシアに売却することで制裁に違反したとして逮捕・訴追された。 米政府は兵器システムに使われる半導体へのロシアのアクセスを遮断しようとしている。ウス被告は不正行為を否定しており、現在はミラノで身柄引き渡しを巡る争いの真っただ中にある。
A technician checks on a stack of wafers at the Applied Materials facility in Santa Clara, California. Photographer: David Paul Morris/Bloomberg 日本とオランダは、先端半導体製造装置を対象とした米国の対中輸出規制への参加に基本合意した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、中国の技術推進の野心に大きな打撃を与える可能性がある。 米国は先端半導体製造装置の対中輸出規制を10月に開始。公に話す権限がないとして匿名を条件に語った同関係者によれば、日本とオランダは少なくとも一部に同調する見通しで、数週間以内に発表する公算が大きい。バイデン政権はこの輸出規制措置について、中国軍が先端半導体を入手できないようにすることが目的だと説明している。 日米とオ
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