英国はようやく実行可能なエネルギー政策に向かって動き出した。同国のリシ・スナク首相は、石油や天然ガスが豊富な北海での掘削を拡大することを望んでいると表明したのだ。この構想は英国のエネルギー自給率を高めるものと期待される。同国では昨年のロシアによるウクライナ侵攻開始以降、国内でのエネルギー供給不足が懸念されてきた。 英国で発電に利用される天然ガスは、新型コロナウイルスの流行前と比較すると、依然として割高だ。金融統計サイト「トレーディングエコノミクス」によると、欧州の1メガワット時当たりの天然ガス価格は、2019年末時点の約13ユーロ(約2000円)から最近では29ユーロ(約4600円)にまで値上がりしている。 英国からの供給が増えても欧州のガス価格には大した影響は及ばないかもしれないが、欧州諸国が英国に追随すれば、価格が新型コロナウイルス流行前の水準にまで下がる可能性がある。 エネルギー価格