田我流が、3rdアルバム『Ride On Time』を4月24日にリリースした。東日本大震災が起こった翌年にリリースされ、ヒップホップシーンの枠を超えて大きな評価を得た前作『B級映画のように2』から7年ぶりとなる本作。曲ごとに目まぐるしく変わっていくサウンドスケープのなかで綴られるのは、この時代を、この社会を生きる人間としてのシビアな現状認識と、「それでも生きる」という強靭な意思。全16曲を通して、知性とユーモアと技術とロマンが緻密に折り重なりながら綴られていくストーリーは、聴く者の耳と目と心を四方八方から揺さぶりながらも、「これが人生なんだ」というひとつの真理をぶつけてくるようなダイナミズムに溢れている。田我流にしか持ち得ない繊細さと大胆さによって生み落とされた大傑作と言えるだろう。 社会や自然といった巨大なものと対峙し、そのなかで生きるしかない人間の、決して逃れることのできない悲しみと