『中居正広という生き方』の著者であり、リアルサウンドで『ジャニーズとテレビ史』を連載している社会学者の太田省一氏が、9月29日に『木村拓哉という生き方』を上梓した。同書は、CDデビューする以前に出演した舞台に始まり、ブームを作ったドラマ、そしてバラエティやラジオ、音楽……約30年にも及ぶキャリアを紐とき、木村拓哉の生き様に迫った一冊。今回、太田氏にインタビューを行ない、改めて木村拓哉という人が私たちにとって、どんな存在なのかを語ってもらった。(佐藤結衣) 木村拓哉という“存在” 太田省一『木村拓哉という生き方』(青弓社) ーー今、木村さんについての本を書かれた理由から聞かせてください。 太田:芸能界の歴史、ひいては私たちが生きている平成という時代を振り返る上でも、木村さんは決して欠かすことのできないひとりです。しかし、あまりにもその存在が当たり前になりすぎて、あるいは偏った見方によって木村