京都アニメーションのスタジオ(京都市)が男に放火された事件は、25日で発生から1週間を迎えた。34人もの命が奪われた被害の大きさとともに、その「凶器」が私たちの身近にあるガソリンだったことに衝撃が広がっている。車を暴走させる。刃物で襲う。市販品で手製の爆弾をつくる――。近年、日本で起きている特異な事件を見ると、犯行の形態が、海外で相次ぐテロと似通っていることに驚く。過激派組織などによるテロは
僕はいま、仕事で韓国に滞在している。ソウル市の主催するマンガ、アニメ、ゲームなどのサブカルチャーの未来を考えるイベントに招待されたのだ。今年の春に僕の本(『若い読者のためのサブカルチャー論講義』)が翻訳出版されたことが影響しているらしい。滞在中は市のイベントに登壇するほかに、現地の出版社の企画したファンミーティングに出たりメディアから取材を受ける予定だ。そしてこのタイミングで日本から来た以上、必ずこの話題について尋ねられるだろう。そう、京都アニメーションの事件のことだ。 最初に断っておくけれど僕はこの件について、特に事件直後に話題を集めている段階で言及するのは本当に嫌だった。 僕は特に京都アニメーションの熱烈なファンというわけではない。けれどそれなりにこのスタジオの作品は見てきたし、感心させられた作品も多い。だからこの事件は本当に残念で仕方ない。いや、それ以前にあまりに卑劣な犯人の行為とそ
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