2024年1月1日に発生した最大震度7の「令和6年能登半島地震」は、電機・精密業界にも大きな影響を与えた。電子部品大手の村田製作所は震源となった石川県の他、福井県、富山県に多くの関係会社を持ち、複数の拠点で生産に影響が出た。同様に電子部品を手掛けるサンケン電気の工場にも停電などの影響が及んだ。 今後、日本で予想される大地震の代表格が「南海トラフ巨大地震」だ。東海地震や東南海地震などを引き起こす震源域が南海トラフで連動して起きると想定される地震である。マグニチュード(M)8~9級の地震が南海トラフで発生する確率は、政府発表では、23年を起点に10年以内に30%程度、20年以内に60%程度と予想されている。 気象庁によれば、南海トラフ巨大地震が発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部で震度7となる可能性がある他、隣接する周辺の広い地域で震度6強から6弱の強い揺れになると想定されている。さらに