前々回の最後に触れた、鳥山明氏がすご腕のプラモデラーだったという話を、もう少しだけ詳しく書く。 模型メーカーのタミヤ(静岡市)が主催する「タミヤ人形改造コンテスト」というものがある。タミヤは、1968年以来、「ミリタリーミニチュアシリーズ」という名称で、1/35(実物の35分の1の縮尺、スケール)の戦車や装甲車などのプラスチックモデル(プラモデル)を出しており、合わせて同スケールの各国兵士のフィギュア(人形)も販売している。乗り物と人形を組み合わせ、台座も作り込んで一つの風景を作る「ジオラマ(タミヤ的に言えば、情景)」という模型のジャンルがある。そのための人形だ。 人のいる風景を制作するためには、人形も固定されたポーズでは都合が悪い。1/35スケールだと、身長170cmの人は、5cm弱の大きさになる。思い通りのジオラマを制作するためには、その小さなフィギュアに様々なポーズをとらせるために腕