ナチスがユダヤ人らから略奪するなどした絵画を大量に所有していたコーネリウス・グルリット氏(81)が6日、ドイツ南部ミュンヘンの自宅で死去した。代理人が明らかにした。心臓を患い、手術を受けた後に退院、自宅で過ごしていたという。 2012年2月に脱税捜査で自宅を捜索された際、シャガールの未発表作やピカソやマチスらの作品など計1406点が見つかった。うち約590点が略奪品の可能性があったが、グルリット氏は当初返還を拒否。その後、略奪が証明されれば返還する意向を示していた。略奪品以外の作品を誰が相続するかは明らかになっていない。 グルリット氏は父親がナチスに協力した著名な画商で、略奪品を外国に売りさばいていた。第2次大戦後も訴追されることなく、合法的に絵画を相続したと主張。所有する美術品の一部を売って生活していたとされる。(共同)