【ロンドン=木村正人】「メディアの帝王」と呼ばれるルパート・マードック氏率いる米ニューズ・コーポレーションが英国やオーストラリアでライバル社の衛星放送を妨害するため、ハッカーを援助して“ただ見”の手口をネット上で広めていた疑惑が浮上した。マードック氏傘下の英大衆紙では組織的盗聴や警官らへの贈賄が明らかになっており、手段を問わないやり方に改めて批判が集まっている。 26日放送の英BBC放送調査報道番組「パノラマ」によると、ニューズ社セキュリティー部門の欧州担当者ら2人は2000年前後にニューズ社へのハッキングを行っていた英国人男性と接触。刑事告発を見送る見返りに同社への協力を求め、年6万ポンド(約800万円)の報酬を約束したという。 この男性の証言では、ニューズ社が株式を保有する英衛星放送BSkyBのライバル社だったITVデジタルのスクランブル(暗号化処理)を解除するIC(集積)カードのコー