事故発生から満25年を26日に迎える旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発。廃炉のために運転を全面停止するスイッチを操作した職員は、「チェルノブイリは長いこと忘れられていた。フクシマは絶対に同じような道をたどって欲しくない」と訴える。 セルゲイ・バシトーボイさん(40)。現在は広報担当者として、チェルノブイリ原発でなお働く。くしくも、チェルノブイリの1号炉を始動させたのが、やはり原発職員だった父のアレクセイさん(67)だ。 息子のバシトーボイさんは原発の町プリピャチで育った。事故当日は、インフルエンザで学校を休み、自室で寝ていて、窓越しに原発の上空に煙が上がるのを見た。父は当時、4号炉で燃料棒の交換作業などの担当だったが、この日は休み。別の同僚が被曝(ひばく)して亡くなった。 父の影響で原発で働くことを決心したバシトーボイさんは、ロシアの大学で物理学を学んだ。ふるさとへの思いは強く、