外国人技能実習制度の不正行為が三菱自動車と日産自動車で発覚した。日本の技能を途上国に広める「国際貢献」を掲げる制度なのに、両社は一部の実習生を技能が学べる現場に充てていなかった。国は新法で制度の厳格運用に乗り出したばかりだが、現場で制度が形骸化している実情が改めて浮き彫りになっている。 三菱自では、溶接技能の習得が目的のフィリピン人33人が岡崎製作所(愛知県岡崎市)で車の組み立てなどをしていた。日産ではフィリピン人とインドネシア人の計45人が、横浜工場(横浜市)と追浜(おっぱま)工場(神奈川県横須賀市)で実習計画外のバンパー塗装などをしていた。作業内容はいずれも国が定める「技能」に当たらず、不正行為になる。日産では他に約150人が技能習得に必要な作業時間を満たしていない状況だ。 両社にフィリピン人実習生を紹介していたのは「協同組合フレンドニッポン」(FN、本部・広島市)。技能実習制度上、国